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74歳で資格を取得

 葛飾区鎌倉の前野清一さんは、74歳と高齢ながら、今年2月に「高齢者体力つくり支援士 MASTER」の資格を取得した。前野さんは、葛飾区主催の「うんどう教室」のボランティア指導員の一人。自身の体力低下を防ぎたいと思い立ち、2011年に区の地域指導員養成講座に参加して運動を始めたが、「運動の効果を自分自身が実感しているだけに、皆さんには継続して参加してほしい」と語る。
 前野さんが取得した資格は、公益財団法人「体力つくり指導協会」(本部=江東区大島)が認定する。運動による高齢者の健康づくりを専門的にサポートする指導者のための資格だ。有資格者は全国に約千人いるが、体育や介護関連の職種の人が比較的多く、平均年齢も45歳と若い。
 葛飾区からの受託で同協会が運営する「うんどう教室」は、運動を習慣化することで健康増進と介護予防を図るもの。前野さんは高砂北公園(同区高砂)の教室で指導員を2年以上続けて、同協会から「体力つくり支援士コミュニティライセンス」の認定を受けたが、さらに専門的な知識と技術を身につけようと「MASTER」の資格取得を決意した。
 高齢者の「運動生理学」「運動と栄養」など専門性の高い講義に加え、ウオーキングや水中運動の実技など計10講座を受講し、試験を経て資格を取得した前野さん。「試験会場でもいちばん年齢が上でした」と照れ笑いを浮かべる。葛飾の「うんどう教室」の指導員を経て「MASTER」を取得したのは現時点では前野さん一人だ。
 同協会の本庄勇二さんによると、70歳以上の有資格者は全体のわずか4%(46人)ほどで、「定年後の活動支援を目的に、中高年齢層へ資格取得を推奨している」同協会で「前野さんはその先駆け」。前野さんは、健康増進への「意識が高く、極めて熱心」だ。
 高砂北公園で4月23日に開かれた教室では、前野さんを含む8人が指導し40人が参加。階段の昇降運動やバランス運動など、公園に設置されている健康増進用の器具を使って約1時間、和気あいあいとした雰囲気のなか自分のペースで体を動かした。同公園では毎月第2、第4水曜の午前10時30分からこの教室が開かれており、参加費は無料。前野さんは「我々高齢者にとって運動はとても大切。教室に来ればたくさんの仲間たちにも出会えます」と笑顔で話し、この教室の楽しさと効果を伝えていた。