top

6月8日から新宿で写真展「砂町」 江戸川の大西みつぐさん

 写真家・大西みつぐさん(59)(江戸川区臨海町)の写真展「砂町」がきょう8日から新宿のギャラリーで始まる。江東区森下(当時は深川高橋)出身で、同区砂町地域には12年間住んだ経験がある。その後も母親(一昨年他界)が暮らした下町・砂町は、日常的に訪れてきた愛着ある場所だ。下町をテーマにした大西さんの写真展は約1年半ぶり。
 一昨年11月、大西さんは同区の「石田波郷記念館10周年特別企画」として、砂町文化センターで1970~80年代の砂町地域の写真を集めて写真展を開催した。このとき俳人、石田波郷自身が撮った「下駄(げた)履きで散歩するような」敗戦から間もない昭和21年~33年の砂町地域の写真に触れ、時代を超えて「写真でつなぐひとつの糸みたいなものを感じた」。これを機に今の砂町を撮ろうと考え、この直後から今年1月まで気ままに歩いてはシャッターを押してきた。
 今回の写真展は、自身も会員の日本写真協会などが主催する「東京写真月間」のなかでの開催。ひたむきに生きる人間の営みに焦点を向けた「心が光る瞬間」と題した展示で、大西さんは35点を出展。また、56点から成る砂町の写真集も自主制作した。
 「人々が息づく暮らし」を念頭に置き、「街の〝肌触り〟を大事にしていきたい」と語る。下町といえば東京スカイツリーが観光客でにぎわっているが、「ソラマチの文字が一瞬スナマチに見えたことがある」と笑う大西さんにとって、砂町には「ざらざらした質感、匂い」があり「構えて歩く街じゃない、それがいいなと思います」。一般的に連想される〝下町らしい風景〟を追い求めるのではなく「魚を買ったり、肉屋でコロッケ買ったり……。普通の暮らしぶりをしっかり見つめたい」。
 砂町地域は、「大きく劇的には変化していない」とはいえ、異なる時代に同じ地域を撮ることは記録として意義あること、と大西さん。今後も江東区内を「いい意味で淡々と撮っていくだろうな」との予感を語り、「地元でも展示する機会があればうれしい」と笑った。
 写真展「砂町」は「エプソンイメージングギャラリーエプサイト」(新宿区西新宿2の1の1)で6月21日まで開催。午前10時30分~午後6時(最終日は午後3時まで)。無料。日曜休館。9日午後2時からは大西さんによるトークがある。問い合わせは同ギャラリー電話3345・9881。