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42歳の初個展

 江戸川区松島在住の三井正樹さん(42)が、10月23日から30日まで浅草橋駅前のギャラリー・アートプラザで初個展「ひと、めぐり愛〜正樹42歳の生命・心・輝き」を開く。三井さんはダウン症を抱えながら17歳で本格的に水彩画を習い始め、何度も展覧会に出品してきたが、作品に値段をつけて展示する個展は初めてだ。
 三井さんは1969年10月5日に生まれた。母・京子さんによると、当時ダウン症の子供の生存年数は短く、同じ病院に通っていた子の多くは既に亡くなったという。三井さんも「生きられないかと思った」と京子さんが諦めかける程の容態の悪化を経験しながら成長した。安定して物事に取り組めるようになった十代の後半に、当時住んでいた市川市内の自宅の前に住む画家の遠山武子さんに師事して絵を始め、現在までに約200枚の絵を完成させた。個展のきっかけは、自宅の玄関先に飾られた作品に目を留めた近所の人が「どこの画家の作品か」尋ねたことが発端となった。紹介を受けて三井さんの作品を見た画家が「きちんとしたところに飾られるべきだ」と勧めて展示の場所を探し始めたという。その後「様々な人の助けがあり」42歳の誕生日を迎えた10月に開催が実現した。
実は、こうした経緯の前に個展を開くことを最初に勧めたのは、三井さんの小学校時代の恩師・西村正寛さんだという。現在はロンドンの日本人学校で教える西村さんを2007年に三井さん親子が訪ねた時に「3年後に帰った時に個展をやってください」と言った。「あの一言がなかったら個展など考えなかった」と京子さんは語る。西村さんはその後も絵の具を提供するなどして三井さんを応援している。三井さんは、体力面での限界もあり作品に注げる時間は1日2時間程度だが、「絵を描くことが大好き」とこれからも制作に意欲を燃やしている。
「ひと、めぐり愛」展は、午前10時から午後6時。入場無料。詳細は会場電話3864・1302。