top

40品目に達した「江戸東京野菜」

2015年は国際土壌年

40品目に達した「江戸東京野菜」

 

 今年、2015年は「国際土壌年」。国連は、土壌は農業開発や食糧安全保障の基盤であり「地球上の生命を維持する要」と位置づけている。そんななかでも都市部の農業従事者は減少傾向にあるが、「江戸東京野菜」の認定品目は、昨年1年間で34件から40件まで増えている。これを「いずれは50品目まで増やしたい」と語るのは、江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さんだ。

  「江戸東京野菜」は、「江戸東京野菜推進委員会」で決定し、JA東京中央会が承認した品目。都内で、江戸期など過去に作られていた固定種を認定するもので、農家2軒以上が(復活も含めて)栽培していることが条件となる。下町地域では、江東区の「亀戸ダイコン」「砂村三寸ニンジン」「砂村一本ネギ」、葛飾区の「金町コカブ」「本田ウリ」、江戸川区の「後関晩生コマツナ(伝統小松菜)」、墨田区の「寺島ナス」などが知られるところ。

 大竹さんは、JA東京中央会の一員として1989年から「江戸東京野菜」に取り組んできたいわば復活の立役者。97年には都内に江戸東京農業の説明板50枚の設置を実現させたことで、亀戸ダイコンなど、地域住民がその歴史を知り復活につながった例もある。70歳の現在もライフワークとして復活に尽力し、自身のブログ「江戸東京野菜通信」は、伝統野菜に携わる人の情報交換の場にもなっており、毎日更新する大竹さんの日記は昨年12月16日で延べ2000日に達した。

  「現在、東京で農業を営んでいるのは、江戸時代の農家の末裔にあたる方々。江戸の文化や歴史を受け継いでいるんです」と、土地を守ってきた人たちに敬意を表す大竹さん。伝統野菜である固定種は、交配種と異なり「種を採りそれを伝えて、命が今日までつながってきた野菜」とその価値を語る。例えば江戸川区産小松菜といってもほとんどは交配種。野菜としてどちらが良いという話ではないが、交配種か固定種かを区別して捉えることは大事と説く。

 

亀戸大根を収穫する大竹さん

亀戸大根を収穫する大竹さん

    「江戸東京野菜」は形がふぞろいだったり、ボリュームが劣ったりする傾向もあるため売りにくい面はあるが、「決して味が悪くて無くなったわけではない」と強調する大竹さん。全国に一年中卸すような食材でなく、その土地の訪問者に供する「東京のおもてなし食材にふさわしい」とし、2020年の東京五輪との連動にも夢を膨らませている。