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Archive | January, 2016

「希少難病ネットつながる」が1周年

無理解に苦しむ患者を孤立させたくない 「希少難病ネットつながる」が1周年   病名にたどりつくまでに17年間――。難病の中でも患者数が少ない希少難病、アイザックス症候群の患者・当事者として生活する香取久之さん(45)(江戸川区南小岩)はNPO法人「希少難病ネットつながる」(RDneT)を立ち上げ、希少ゆえに苦しみを周囲に理解されない患者の孤立を防ぎたいと、昨年から周知活動を始めている。2月12日には希少難病を多くの人に知ってもらいたいと、「設立1周年大感謝祭」をタワーホール船堀(江戸川区船堀)で開く。 「全身のけいれんや硬直、ピクつきが常にあり、いまも足の裏は焼け付くような感覚。ひどい風邪を引いた時の体の節々の痛みや倦怠感(けんたいかん)が年中続くような状態だ」。壮絶な苦しみをともなう症状は、椅子に腰掛けて静かに語る香取さんの姿からは想像し難い。 アイザックス症候群は、免疫の異常などにより末梢神経の細胞で特定の働きをするタンパク質の一つが機能しなくなることに関連した病気とされ、原因や治療法はわかっていない。厚生労働省の研究対象分野の難病に関する情報を提供するホームページ「難病情報センター」によると、患者数は全国で約100人だ。 香取さんの場合は、17歳の時に腰の激痛や筋肉のけいれんといった症状が出始めた。しかし、どの医療機関でも病名を特定できず「同じ説明を繰り返して何十件もたらい回しになるうちに、この病気は世界で自分ひとりと思ってあきらめることにした」という。 その後、体の異常を抱えたまま理系の国立大学に進学し、卒業後は大手製薬会社に就職した。34歳の時に大学病院で「アイザックス症候群」と診断された。依然として効果的な治療法はなかったが、病名がついたことでインターネットを通じて同じ病気の患者5、6人と出会い、患者会「アイザックス症候群りんごの会」の設立につながった。 高校時代から多くの友人や仲間に恵まれた香取さんは、会の副代表として活動を始めてから多くの人が周囲の無理解や医師とのミスマッチにより孤立を深めている実態を知ったという。「アイザックス(症候群)に限らず約7000種類といわれる希少難病患者には自殺や生活崩壊など切実な状況に追い込まれる人も多く、そうなる前に孤立を防ぐ手立てが必要だと思った」。 自らも17年間病気を理解されず苦しんだ経験は、孤立を防ぐための事業を始める下地となった。「希少難病ネットつながる」が始めたSNSサイト「RD-Oasis」は、病院検索「SCUEL」のデータベースとも連携し、登録者が任意で登録する疾患名や診療を受けている医療機関や診療科などの情報が、新たに病院を探す患者のためのデータベースとしても活用される。「患者同士だけでなく医療機関や支援の手などさまざまな場所とつなぐ活動をめざしたい」と香取さんは語る。   2月12日 タワーホール船堀で 設立1周年大感謝祭   2月12日に開くチャリティーイベントは、マジシャンや手話パフォーマンス隊、車椅子使用者が装具の力を借りて踊るダンスなど、香取さんが活動を始めてから知り合った人たちによる舞台が中心。午後6時30分開演。入場無料。

統合を前にお別れのイベント

統合を前にお別れのイベントを実施  江戸川区立清新第二・第三小学校   江戸川区では初めての学校統合により今年3月で閉校になる江戸川区立清新第二小学校(江戸川区清新町、前沢蔵人校長、児童78人)と同区立清新第三小学校(同、清澤好美校長、児童452人)が、卒業生や学校にゆかりのある地域の人に向けたイベントを開く。 清新町の街と歴史をともにしてきた2つの小学校は3月末に閉校し新年度からは「清新ふたば小学校」として新たなスタートを切る。両校の児童は林間学校を一緒に行ったり、学年ごとに授業交流を行うなど、統合に向けた準備を進めてきた。校内行事では3月25日に閉校式が行われるが、授業公開に合わせて実施する今回のイベントが卒業生などには校内を見る最後の機会となる。 まず、1月30日に清新二小で開かれる「『清新第二みんなのふるさと』の集い」では、「レインボールーム」と呼ばれる多目的空間が開放され、来校者に向けて学校の歴史を展示する。もちつき大会やクイズ、ダンスの集会を開くほか、初代校長の藪明保先生を招き「お話の会」で開校当時の思い出などが語られる。 統合後も校舎を使用する清新第三小では、新しい学校として再出発する際に、これまで校内に飾られた卒業制作などは取り外すため、2月13日に卒業生や地域の人を招待して施設見学会を開く。清澤校長によると、4月に向けて老朽化部分の補修工事などがすでに始まり、2階の「アップルスペース」(多目的空間)も敷地半分を2つの学校の歴史を伝えるメモリアルコーナーとして改築するという。   平井二小でも「お別れの会」   同じく4月に平井南小学校と統合する江戸川区立平井第二小学校(同区平井、坂口幸恵校長、児童75人)も2月13日に「お別れの会」を開き、校内見学や卒業生同士の交流を図る。

錦糸町で「ストリートライブ開放計画」

これで堂々と路上演奏ができる! 錦糸町で「ストリートライブ開放計画」が始動   屋外の公共空間で通行人に向けて演奏する活動を、保障された場所で行えるよう若いミュージシャンたちを応援する「錦糸町ストリートライブ開放計画」が、3月の開始に向けて進められている。 無名の才能を世に出すきっかけにもなる路上ライブ。実はその多くが道路使用許可が下りず警察の目をかいくぐって行われているのが現状だ。違法性を問われたり、近隣から苦情を言われたりすることなく安心して演奏したい。そんな要望がある中で準備が進む「錦糸町ストリートライブ開放計画」は、錦糸町駅周辺の商業施設の一部を事前に登録したミュージシャンに開放し演奏活動を保障するものだ。 演奏者と場所を提供する側を仲介するのは一般社団法人ピースライブ(墨田区錦糸)だ。代表理事の大友健さんは、錦糸公園での「すみだライブ」開催などを通じて錦糸町周辺施設とはつながりがある。 実際にこの仕組みの中で演奏するには演奏技術や活動の安定度などの基準を満たす必要がある。演奏日も希望日を申し込み、管理者の承諾を得て出演が決まるので、思い立ったら楽器を手に街に出て、といった自由はない。許可制の路上演奏に取り組んでいる千葉県柏市では、柏商工会議所青年部が1998年に発足させた「ストリートブレイカーズ」が2005年に「柏ルール」を設けて柏駅東口サンサン広場での演奏管理を始めた時にミュージシャンからの反発があった。同団体の代表を15年務めた市村日出夫さん(60)によると、演奏家を集めて会議を開き、賛成反対双方が意見を交わす場を設けたことで落ち着きを取り戻した。演奏の登録を受け付ける「かしわインフォメーションセンター」によると昨年の登録は154件。五十嵐泰正代表によると、現在は大道芸人などが多くなり販売行為禁止の原則が守られないことや、ティッシュ配りやスカウトなど管轄外の行為と柏ルールとの共存に頭を悩ませている。 川崎駅(神奈川県川崎市)周辺でも、民間団体の運営で商店街や施設の一角を登録者が演奏できる場所が3か所ほどある。「ミューザ川崎」のステージで演奏の順番を待っていた女性は「他では警察に声をかけられてしまうので、安心して演奏できる場所があるのは助かる」と話していた。 錦糸町の「開放計画」では、昨年12月末からクラウドファンディングを利用して賛同者を募るなど、事業開始に向けて協力を広く呼びかけている。錦糸町が新しい〝音楽の街〟となる日は来るだろうか。     【写真】 ミューザ川崎ゲートプラザ(川崎市)で

スポーツキッズファイル18 小梅サッカークラブ

スポーツキッズファイル18 小梅サッカークラブ   「小梅サッカークラブ」は、墨田区立小梅小学校(墨田区向島)と同区立第一寺島小学校(同区東向島)の校庭などを練習拠点に活動を続ける墨田区サッカー協会の加盟チームだ。5歳から12歳までの55人が練習に励む。 2009年、隅田公園で定期的にサッカーをしていた少年らの母親が創設の中心となり、学校関係者や地域の協力を得てゼロから組織を作り上げた。各学年でメンバーの父親が指導にあたり、厳しくも温かい雰囲気で子供たちの力を伸ばそうと努めている。 入団を就学前の年中期から受け入れていることは、習い事を検討する幼児の保護者にとっても魅力の一つだ。早い時期にプレーの楽しさを学びつつサッカーの基本に触れることで中・高学年以降の本格的な練習にも自然に対応していける子が多い。目指すチームについて細川隆雄代表監督は「技術はもちろん社会のルールや仲間とのかかわりを学んでほしい。子供たちが大人になったときに原点となるチームになれたら」と語っている。

「とくとく手形」や「探偵ゲーム」で江戸川・葛飾区をめぐろう

“夢と人情がひろがる” 商店街広域イベント 「とくとく手形」や「探偵ゲーム」で江戸川・葛飾区をめぐろう   江戸川、葛飾の両区の商店街連合会が合同開催する広域イベントが1月16日から始まる。約1か月の期間中には、1日限りのステージやゲームなどの催しも行われ、イベントを盛り上げる。 「夢と人情がひろがる下町商店街」を合言葉にしたこの広域イベントは、1月16日から2月14日まで開催。参加店359店で割引サービスが受けられる冊子「まんぷくとくとく手形」の発行(区主要施設などで無料配布)、漫画本「下町商店街物語」の発行(両区の小学校などで無料配布)、商店街を巡り〝犯人″を突き止める「商店街探偵ゲーム」の開催の3つが主な柱だ。 また、1月31日に都営新宿線船堀駅前「トキビル」広場(江戸川区船堀)で、漫画原作者・神田裕司さん、漫画家・大関みどりさんの「まんが下町商店街トークショー」の開催が決定。両区の地元ヒーローの初共演、「ぜロング&エドレンジャーコラボショー」にも注目だ。イベントは午前10時~正午。見学無料。雨天中止。 そのほか、SNSユーザー限定のゲーム「犯人を探せ!」も2月7日に開催される。最新情報はホームページ(http://www.event-paradise.com/)で発信中。

「まるごとにっぽん」は地方の“元気”を応援します

浅草の新しい顔 「まるごとにっぽん」は地方の“元気”を応援します   浅草六区(台東区浅草)の新たな顔として昨年12月、「まるごとにっぽん」 が登場した。東京楽天地(本社=墨田区江東橋)が建設した「東京楽天地浅草ビル」の地上4階分を使い、地元だけにしか流通していない地方の商品を販売したり、市町村のPRスペースや郷土料理を学ぶ料理教室、ふるさと納税や移住・定住相談の窓口を設けたりと、地方の魅力発信を全館挙げて行っている。 〝デパ地下〟を思わせる構えの1階部分には、食品館「蔵」など食品関連の22店舗が入る。同施設の開業段階で全フロアに入る50店舗の8割が東京初進出、半数は実店舗を構えるのも初めてということで、大手ブランドの看板はどこにもない。あるのは、愛媛県佐田岬産の蜂蜜酒を売る店や島根和牛のライスバーガーショップ、徳島県のレンコン加工品を扱う店など、それぞれの産地の味を自慢の商品にして売る個性豊かな店だ。旅先で評判の店に遭遇するような新鮮な感覚が味わえる。 「ここに出店しているのは自分の店から地域を何とかしようと勇気を持って集まった人たちです」。株式会社まるごとにっぽんの小笠原功社長は、地方創生の理念をテナントと共有する同施設の運営姿勢を熱く語る。人口減少や伝統産業の衰退など、将来を案ずる地方の現状を抱えながら、生産者やものづくりの立場で販路開拓に挑戦している出店者もいる。今回ルームシューズの販売で初出店した岡山県倉敷市の会社は、主産地であるい草の素材・商品メーカーだったが、生活様式の変化によるい草製品の需要減少に対応するため、炭を使った新素材を自社開発して履物で商品化した。畳や敷物で〝足裏の心地よさ〟を追求してきた技術が生かされているという。 常設店舗以外に特徴的なのは、3階の「おすすめふるさと」だ。〝超小型アンテナショップ〟の集合体というべき市町村PRコーナーは、出展した全国17市町村が、1区画2.7坪(約6.8平方メートル)の各ブースに置かれた木製の展陳台を使って映像を照射したり、特産品を販売する。中には「むつごろうラーメン」(福岡県柳川市)や「オオカミの桃トマトジュース」(北海道鷹栖町)といった、思わず説明が聞きたくなる商品も並ぶ。ふるさとの魅力を紹介する一方で来場者の関心の向き方は、自治体側にとっても隠れた需要の掘り起こしやアピールの方向性を決めるきっかけになりそうだ。 ◎「まるごとにっぽん」 台東区浅草2の6の7、午前10時(4階は11時)~午後8時(3階は9時、4階は11時)。年中無休。  

まるごとにっぽんで見つけた天然木を縫って作った革財布

まるごとにっぽんで見つけました!  天然木を縫って作った革財布   「まるごとにっぽん」の2階フロアは、伝統工芸の技術を利用しながら現代の生活や若い人の感性に合う生活道具の売り場となっている。その一角を占めるのが江東区北砂の革小物製造販売会社によるオリジナルブランド「ヴァーコ」の商品だ。かつて木場に貯木場があった江東区(いまでも江東区新木場がある)は木材と縁も深いが、本物の木を縫って作った革財布や名刺入れなどは、若い世代からも注目されている。 ブランドを展開する株式会社レザーデベロップメントの代表でデザイナーの梶谷明宏さん(43)によると、2008年ごろに突板(つきいた)を製作する会社からもらった1通のメールが転機になった。それは、木材を1ミリ以下の薄さにスライスした突板で縫製可能なウッドシートを開発したが利用の道筋がないか、と尋ねる内容で、それに応じた梶谷さんはシートを革に接着した素材を使って何種類かの試作品を作り、見本市に展示した。商品化後は売り上げの半分以上を占めるシリーズに成長し、百貨店などでも販売されている。「運命的な出会いだった」と語る。 一見プリントしたように思える木目柄は触ってみると天然木の感触が伝わる。梶谷さんによると、木のシートは無理な力をかけて強度を損なうことがないように配置しながら、デザインを決める難しさがあるという。商品には都内大手のセレクトショップの下請けなども務めるセンスが生かされている。