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2015年度完成の豊洲新市場 「千客万来施設」は民間が整備・運営

 築地市場(中央区)に代わる首都圏の基幹市場として、江東区豊洲6丁目に整備される「豊洲新市場」。東京都は昨年11月、その施設計画の概要と、市場特有のにぎわいを創出する「千客万来施設」の基本方針案を発表。さらに市場施設の完成時期を2015年度とすることも今年1月8日に発表した。築地市場に比べ約1・7倍(40・7ヘクタール)の敷地面積を誇る新市場は、国内外から観光客が集う新名所となりそうだ。
 1935年開場の築地市場には、以前から老朽化やその狭さなどの課題が指摘されてきた。これに対し、広大な敷地がある豊洲新市場は十分な駐車場が確保され、温度管理ができる閉鎖型の施設として、生鮮食料品(青果、水産物)の安全、安心を高いレベルで実現。加工パッケージ施設や転配送センターの設置などで多様なニーズにも対応するほか、太陽光発電や緑化なども取り入れた先端施設として誕生する。
 都の市場移転の方針を受け、江東区は「都による土壌汚染対策の確実な実施」「交通対策の実施」「新市場と一体となったにぎわいの場の整備」「環境まちづくりへの配慮」などの対応を求めたうえでこれを了承した。土壌汚染対策については、都が専門家会議による提言に基づき、技術会議でまとめた対策を実施し、汚染物質の確実な除去を行うとしている。
 豊洲6丁目のうち、新市場が整備される場所は5〜7街区と呼ばれるエリア。主に、5街区は青果棟、6街区は水産仲卸売場棟、7街区は水産卸売場棟や管理施設棟が置かれる。水産仲卸売場棟と管理施設棟の中には物販や飲食店舗も入るが、これは築地市場の場内市場「魚がし横丁」と同様の位置づけ。市場で働く人たちを主な顧客とした店舗群だ。
 そして、同エリアにあるゆりかもめの「市場前」駅の至近に建設されるのが「千客万来施設」。5、7街区の2棟を合わせた敷地面積は1・7ヘクタール。都は、築地市場に隣接して市場とともに発展してきた「築地場外市場」を「誇るべき貴重な財産」と位置づけており、豊洲新市場では、食に特化したこの場外市場特有のにぎわいを同施設で継承、発展させる考え。新市場と連携して互いの魅力を高めつつ、地域活性化にも貢献していく。

マグロ解体ショーなどでにぎわい創出

 都中央卸売市場が昨年11月発表した「千客万来施設事業基本方針案の概要」に掲げられた同施設の機能は「食の魅力を発信」「観光客をひきつける」「市場関係者の活性化に貢献」の3項目。都中央卸売市場の濱村竜一・開発調整担当課長は、例としてイベントスペースでのマグロ解体ショー、職人による料理教室、デッキから見るセリの見学ツアー、外国人観光客を案内するコンシェルジュ・サービスなどを挙げて「いろいろなことがあり得ると考えています」。
 施設は都が借地し、民間事業者が施設整備・運営をする整備手法がとられるが、事業者選定は市場と連携したにぎわいの創出などを前提に行うとしている。募集要項の公表は今年3月頃、事業予定者の決定は6月頃の予定。
 一方、約400軒の築地場外市場店舗に対し都が行った意向調査では、条件にもよるが新施設への出店の意向を示す店舗が回答数の4割以上(135店舗)を占めた。都は事業者にも、築地場外市場の各店舗に出店の意向を確認するよう求めていく。