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風邪よけ祈願で受験生らに人気 墨田区・弘福寺の「咳の爺婆尊」

 風邪の予防に効き目があるとされる墨田区内の弘福寺(こうふくじ)(向島5の3の2、奥田雅博住職)の石像「咳(せき)の爺婆尊(じじばばそん)」に、風邪よけ祈願に訪れる参拝客がこのところ増えている。
 爺婆尊は境内の小さなほこらの中にあり、向かって左側に婆像(高さ約75センチ)が背中を丸めて座り、右側に爺像(高さ約55センチ)が手を重ねて温和な表情を浮かべ、2体が寄り添うようにしている。
 寛永年間(1624年~44年)の禅僧・風外(ふうがい)が、今の神奈川県真鶴町の山中にある洞窟で求道生活を送っていたときに、亡き父母を思い、この地の岩石で彫ったとされる。
 その出来栄えに胸打たれた当時の小田原城主・稲葉正則が、自分の屋敷にもらい受けて供養するようになり、正則が領地替えになった際、稲葉家の菩提寺(ぼだいじ)の弘福寺に寄贈されたという。
 次第に「風外は風の外だから、風邪に効く」と言い伝えられるようになり、地域の信仰を受けるようになった。爺像は口の中の病に、婆像は咳に効くが、2体一緒にお参りすればより効き目が増すとされ、全快すればお礼にいり豆と番茶を供える習慣がある。
 折から厳しい寒さが続いており、入試間近の受験生やお年寄りが手を合わせる姿が目立っている。