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金町周辺の地域史を冊子に

金町周辺の地域史を冊子に

宇田川泰弘さん

葛飾区金町在住の宇田川泰弘さん(74)がこのほど、地元金町とその周辺の近代史を独自の切り口でまとめた小冊子「葛西・金町の歴史散歩 その1」を制作した。

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冊子をまとめた宇田川さん(中央)と、協力者の松﨑さん(左)、佐藤さん(右)

金町で生まれ育った宇田川さんは、以前から父やその知人から地元の話を聞く機会が多く、それらを書きとめておく習慣があった。最近になってテーマ別に文章を書き地元の知人に配り始めると、冊子にまとめることを勧められて、一昨年から準備を本格化。地元の仲間の松﨑洋さん(68)がレイアウトして写真も提供、車での取材には同じく仲間の佐藤清武さん(72)が同行し、2人の協力者とともに今年1月冊子を完成させた。

冊子は「葛飾の地名・区域の変遷」に始まり、「金町周辺の伝承・俗説」「神社仏閣の故事来歴」「祭り今昔」など項目別に、約100年の地域史を中心にまとめた内容。かつて江戸川にあった4つの渡し舟や、明治期に12年間運行された「帝釈人車鉄道」、江戸川に現在2つある取水塔が一時期3つあった話など興味深い内容が並ぶ。

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小冊子「葛西・金町の歴史散歩」

冊子タイトルにある「葛西」とは、過去に東京の隅田川より東部を指した地名から取ったものだが、「古いことは悪いことばかりじゃない。古きを訪ね、今の知識と結びつけた方がいい」というのが宇田川さんの考え方。例えば冊子中の1項目「地名の変遷と『減災』」では、過去の地名には元々何らかの意味があり、地名の歴史をひもといて地域特性を知ることは、時には地域の減災を考える手がかりにもなると説明した。そのほか、京都・宇治から茶を持ち帰った宇田川安右衛門が「明治5年製茶を奨励するようになり、水元から細田まで茶畑が広がった。大正元年金町の茶農家は46戸あった」との記述など、編集に携わった松﨑さんも「インターネットで調べても出てこない貴重な内容がたくさんある」と話す。

冊子はA5判32ページ。地元関係者や文化財保護に携わる人などに初回制作分100冊をほぼ配りきったそうで、現在増刷を検討中。また、新テーマで3本ほど執筆を進めてもいる。冊子には伝聞や俗説も書かれているが「茶のみ話のタネにしてもらえれば」と宇田川さんは話している。