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豊洲駅に「豊洲今昔物語」

 東京地下鉄有楽町線豊洲駅(江東区豊洲)の3番出口付近の通路にこのほど、豊洲駅の新たなシンボルとなる陶板レリーフが設置され、その除幕式が8月26日に行われた。
 レリーフは高さ2・7メートル、幅5メートルと大きく、274個の陶板のピースで構成されており、日本古来の素材である陶を使った厚みのある焼き物としても魅力的な作品。地元の豊洲に住む金工作家の宮田亮平さん(東京芸術大学長)が原画と監修を担当し、制作は現在までに500点近いパブリックアートを全国に送り出してきた株式会社NKBクレアーレ工房が手がけた。
 作品のタイトルは「豊洲今昔物語」。現代の高層マンションやオフィスビルを後方に配置すると同時に、豊洲が東京湾を埋め立てて作られた新しい都市である歴史を踏まえ、海に泳ぐクジラの親子やイルカの群れ、キスの釣り舟などが大胆に描かれている。特に存在感のあるデフォルメされた大きなクジラはその目が印象的だ。一方、イルカをモチーフとした作品は宮田さんのライフワークでもあり、今回のイルカの群れは家族をイメージしたという。そのほか、レリーフには「昔ここは海でした」「今豊洲はすてきな町」などの文字も添えられた。
 26日の除幕式には宮田さんを始め、公益社団法人メトロ文化財団の梅﨑壽会長ら5人が出席。駅利用者を含む多くの人たちが注目するなか、レリーフが公開されると、豊洲駅の新たなシンボルの誕生を拍手で祝った。
 公共の場所に設置されるパブリックアートは「それぞれにいろんな名前で呼んで、自分の思いを持ってくれるのがいいのかな」と宮田さん。東京駅の待ち合わせ場所として有名な「銀の鈴」(現在の4代目)も手がけた宮田さんは「『クジラの親子がいるところで待ち合わせしようよ』と言われるようになってくれたら。レリーフを背にして待ってもらいたい」と笑顔を見せて、豊洲の人々に親しまれることを願っていた。