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親しまれた自宅旧文具店舗を会場に 81歳 山崎さんが初の「つるし雛」展

 江戸川区西一之江の山崎市子さん(81)が、自宅1階の旧文具店舗部分を会場に、「つるし飾り作品展」を開いている。初めて作った「つるし雛(びな)」や、制作歴20年になる「木目込み人形」などを、近所の制作仲間8人の作品とともに約40点展示している。
 山崎さんがつるし雛を作り始めたのは一昨年11月。近所の富澤洋子さん(62)宅を訪れた際、部屋いっぱいに飾られたつるし雛に「圧倒され、感動して。こんなのが作れたらいいなぁと思った」のがきっかけ。富澤さんの指導を受け、約1年かけて完成させた。ひと針ずつ返し縫いで仕上げるためとても時間がかかり、「一つ目の飾りが出来たときの感動は今も覚えています」と山崎さん。
 指導した富澤さんは、以前からボランティアで手作りの人形や布で作った絵本を、養護施設や図書館に寄贈し、東日本大震災後は個人で直接被災者と連絡を取って、仲間と手作りの品を贈っている。つるし雛もご近所仲間にボランティアで指導しているが、年齢の違う人たちと会話をしながら教えるのはお互いが勉強になり、「逆に私が元気をもらったりします」と言う。
 山崎さんと20年来一緒に木目込み人形を作り、つるし雛制作や今回の展示も共にした川越政子さん(71)は、「みんなで会話するのがとても楽しみ。作っていると夢中になって時間を忘れちゃう」と話し、近所同士の温かい交流がうかがえる。
 会場の山崎さん宅近くに小、中学校があり、昨年12月まで45年間、文房具店として親しまれてきた。孫が店を閉めることをインターネット上に書き込むと、子供たちや、今は親となった人たちなどたくさんの人が立ち寄り、「残念だ」「お世話になった」「おばあちゃん、お疲れ様」などと声をかけてくれたそうだ。閉店後は、「シャッターが閉まっていると寂しい」と言う声も。
 そんな折につるし雛が完成し、「もったいないからお披露目したら」と周囲に勧められて、この旧店舗で作品展を開くことにした。「簡単な展示会を考えていたら、皆さんの協力でこんなにすばらしい展示になりました」と山崎さん。
 つるし雛の材料に使った生地には、孫の産着をほどいたものなどもあり、山崎さんは「記念になるし、捨てがたいものがこうして生かせる。美しいものに変身して何代も飾られるのはすばらしい」と、懐かしそうにつるし雛に触れていた。
 展示は3月10日まで。平日午前10時〜午後4時を基本にオープン。所在地は、西一之江1の14の8。電話3653・3881。