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視覚障害者の来場も歓迎 江東バードカービング愛好会が作品展示

 「江東バードカービング愛好会」は、今にも動き出しそうな木製の〝鳥〟を完成させるアート「バードカービング」のサークル。発足から20年以上経過した現在も江東区文化センター(同区東陽)で月3回ほど活動し、制作に不可欠という野鳥観察会にも時折出かけている。愛好会は同センターで開催中の「合同成果発表会 小さなギャラリー」展の一環として、3月18日から24日まで約30点の作品を展示予定だ。
 バードカービングは、一つの木片を丹念に削ってから着色して、本物そっくりの〝鳥〟を完成させる。米国でカモ猟の囮(おとり)として誕生したのが起源で、その後アートとして定着した。日本での普及は1980年代からで、同愛好会は88年に同センターで開かれた入門講座をきっかけに90年発足。当時こうしたサークルは「都内でも数えるほどしかなかったのでは」と町田晴男会長(80)(同区東陽在住)。
 会員たちの作品は10年以上前から行徳野鳥観察舎(千葉県市川市)に常設展示。小さなギャラリー展は同センターの講座受講生や受講を機に発足したサークルによる週替わりの展覧会で、同愛好会もその1団体として参加する。
 一方、これまで50点ほど制作した町田会長は、この完成品を活用した独自の活動も展開中。精巧な完成品は一般には観賞用だが、「私の場合は『折れてもいいですから触ってみてください』と言っています」。妹が37歳のころ病気で失明し、視覚障害者支援を考えるようになった町田会長は、約10年前に目の不自由な人たちに野鳥の解説をしたのが縁で、「バードカービング」を用いた交流を始めた。
 視覚障害者は、鳥の声は聞けても姿を実感するのは難しいため、作品に触れてもらいながら、図鑑(「声が聞こえる!野鳥図鑑」、文一総合出版刊)で鳴き声を再生したり、解説をしたりするととても喜ばれるという。
 今回の展示でも自身の作品に限ってはぜひ触って欲しいと言う町田会長。さいたま市の「大宮光の会」などの視覚障害者支援団体とは今も交流があるが、地元団体と交流がないことが寂しくもあり、「街で視覚障害の人を見かけますけど、声をかける訳にもいきませんからね。まずは来て体験して欲しい。そこから交流が始まればうれしい」。
会期中は午前10時から午後3時まで(23日午前中を除く)会場にいるので気軽に声をかけて欲しいという。