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西葛西駅前のムクドリ対策に決め手なし!?

「私たちは南口のクスノキが好きなんです」

西葛西駅前のムクドリ対策に決め手なし!?

 

東西線西葛西駅南口で、夕方になるとムクドリの大群が駅前の樹木に集まり、糞害(ふんがい)や騒音などが問題となっている。江戸川区は今年3月に新型の鳥よけ装置を導入したが、約3か月後にはムクドリの再来が確認され、8月中旬に装置の使用を中断した。

駅前の大きなクスノキにムクドリの大群がねぐらを求めて集まるように

ムクドリに愛される西葛西駅南口のクスノキ(樹齢推定130年)

ムクドリに愛される西葛西駅南口のクスノキ(樹齢推定130年)

なったのは約10年前で、2008年ごろから糞害などが指摘され始めた。「夕方は木の下のベンチには座れない」と、木陰に涼みに来ていた男性は言う。江戸川区では2012年から対策に乗り出し、目玉模様の風船や黄色いリボン、危険を知らせる鳴き声を流すなどの方法を試してきた。同時に、高圧洗浄や週6日の清掃員による掃き掃除で広場の道路やベンチの汚れに対応している。人件費などにかかる予算は年間340万円に上る。

新たな装置は、滋賀県の精密機器メーカーが鳥獣被害防除のために開発したもので、スピーカーから音や鳥だけに感じられる「特殊波動」を不規則に出すことでムクドリにとって居心地の悪い環境を作り出す。

音で驚かせる方法は、鳥たちが規則性に気づいた段階で効果がなくなるこ

木のそばに置かれたブロンズ像にもフン害の痕跡が

木のそばに置かれたブロンズ像にもフン害の痕跡が

とが多かったが、昨年、装置を導入した浜松駅周辺(静岡県浜松市、6月)や姫路城と駅を結ぶ大手前通り(兵庫県姫路市、8月)では、一定の効果を挙げている。導入費用も30万円台と、うまくいけば経費節減につながるはずだった。

ところが西葛西駅では、3月25日に設置した当初ムクドリがほとんどいなくなったが、6月中旬を過ぎたころから再び姿を現し、1か月後には以前と同じ1000羽近くまで戻ってしまった。装置を使用するとムクドリが別の木をめざすことは他の自治体でも確認されていて、姫路市は装置の数を増やし、結果的に駅の反対側に群れが移動している。浜松市では群れがちょうど車道に囲まれた場所に移ってくれたことが幸いして人的被害がほとんど出なくなった。

西葛西駅の場合は、約3か月間どこか別の場所に移動した末、再び同じ場所に戻ってきた。駅の反対側(北口)にあるケヤキなどには行かず、装置が

木に取り付けたスピーカーから出す音でムクドリを追い払う

木に取り付けたスピーカーから出す音でムクドリを追い払う

作動して快適とは言い難い南口のクスノキにこだわりを示す理由は謎だ。

江戸川区水とみどりの課では、このまま続けても効果はなく、逆に慣れが進むと判断して8月11日で装置を止めた。今後は期間をおいて再作動させるなど、メーカー側と協力しながら検証する方向だ。樹木を切る、装置の数を増やすといった方法は、周辺の電線などに移動して被害が拡大する可能性もある。「うまく棲(す)み分けできないか試みているが難しい。近隣には葛西臨海公園や河川敷もあるのに、なぜ……」と、公園街路樹係の海老澤清也係長の悩みは尽きない。