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被災地の女性追ったドキュメンタリーを上映

 葛飾区立石のウィメンズパルで3月1、2の両日、「パルフェスタ2014」が開催された。各種の講座などが行われたなか、今年の目玉の一つは「女性が撮った東日本大震災」と題した映画上映会。3月1日には、ニューヨーク在住のロイター社アンカー(ニュースキャスター)で、ドキュメンタリー映画の監督でもある我謝(がしゃ)京子さんが来館。講演と監督作の上映が行われ、女性を中心に約200人が会場を埋めた。
 上映作品は、東日本大震災で被災したさまざまな世代の女性たちが、復興に向けて生きる姿を追ったドキュメンタリー「311 ここに生きる」。「戻れないから前を向くしかない」「負けたくない」と力強く語る女性たちの言葉が胸を打つ作品で、すでに日米のみならず世界各国で上映されて高い評価を得ている。
 上映前のあいさつで、客席に黙とうをお願いし、また鑑賞者一人一人が自身の「人生を振り返りながらご覧いただければ」と語った我謝さん。上映後の講演で明かしたのは、自身が同区立石の出身ということで、最初の監督作「母の道 娘の選択」(2009年)完成時、ウィメンズパルに上映を打診したことがあるという。今回は逆に打診を受ける側だったが、ウィメンズパルの担当者は我謝さんが葛飾出身とは知らず、「人生タイミングがあるもの。感慨深い上映会になりました」。
 ニューヨークに移住した01年、同時多発テロが起こり、貿易センタービルのほぼ真下のアパートに帰ることもできず、深い悲しみに襲われた経験を語った我謝さん。東日本大震災が起きたときは沖縄にいたが、9・11の体験が「全てよみがえってきました。テロと地震では全く違うのに、頭の中が真っ白になってしまった気持ち」と当時の心境を話した。
 その後、自分ができることを考え続け、「どうやって復興するか、記録に残していくことかもしれない」との結論に。撮影前の被災地訪問の際、女同士で話すうちに「かわいそう目線を絶対に持たない」と心に決め、また、悲しみをあおるような音楽やナレーションも、力強く生きる人々に対して不適切と判断して一切使用しなかった。
 度々訪れた被災地で、取材した人は合計約60人。来場者に対して「『被災者は私とは違う人』と思わないでください。いつ立場が変わるか分からない」と語りかけた我謝さん。今後も被災地での撮影を続けて映画を発表していくという。
 翌2日にはドキュメンタリー映画「きょうを守る」を上映。岩手県陸前高田市で震災にあった当時大学生の菅野結花監督を講演者に迎えた。