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葛西・船堀の歴史を掘り起こす 新川葛西史談会

「新川フィールドワーク」で資料を手に歩く会員たち(昨年12月6日)

「新川フィールドワーク」で資料を手に歩く会員たち(昨年12月6日)

葛西・船堀の歴史を掘り起こす

新川葛西史談会

 

   「船堀・葛西地域のふるさとの記録を伝えたい」――。そんな思いから結成された「新川葛西史談会」(富田重男代表、会員18人)は活動4年目。3月末からは地元の小学校をテーマにした写真展を開催する予定で、現在はその準備の真っ最中だ。

 同会は2011年12月に結成。江戸川区船堀の歴史を掘り起こして計7冊の冊子にまとめてきた「船堀歴史会」(1991年発足)の代表幹事だった宇田川鐘弥さんを顧問に迎え、その流れをくみながら地域を葛西地域まで拡大して活動を始めた。これまでには「新川さくら館」(同区船堀)や地元信用金庫ロビーなどで展示を重ねており、タワーホール船堀(同)では、昨年10月に「昭和の河川」と題した写真展を開き、新川、荒川、中川周辺の写真12点を展示した。

 一方、毎月の例会では、地元の歴史について調査研究した内容を発表しあっている。通常は個人での発表だが、時には個別の内容を会員同士で協力してさらに掘り下げることもある。今年1月の例会で発表されたそのひとつが、1931年(昭和6年)の版画に始まる一連の調査報告。会員の松林光代さんの発表を受けて、同会事務局の森田洋祐さんらがコーディネーターとして加わった。

  この版画「葛西・三角にて」(作・石綿江逸)を江戸東京博物館で見た松林さんが、描かれたそば店の所在地を調べたところ、現在は作業用品を販売する「堀口商会」の店舗(同区中葛西1丁目)がある場所と特定された。さらに「堀口商会」の保管していた小冊子「きそば新見庵覚」の文面から水運の要所として栄えたこの地の歴史をさらに深く知ることができた。この小冊子は昭和50年代半ばに書かれたと見られ、筆者の鈴木啓之さんは、同区平井で長年、「無窮庵増音」を営んでいたそば打ちの名人で、そばに関する錦絵や道具の収集家でもあった。

 地域にはまだまだこうした「区史にも出ていない隠れた情報がかなりある」と話す森田さん。「それらを発掘するのが会の目標」であり、また活動の面白さでもあるという。

  なお、同会では、船堀・葛西地域の資料の提供を広く呼びかけている。大正・昭和期の地図や写真などで、人物写真も風景や街並みが写りこんだものが望ましい。問い合わせは森田さん℡3688・5235。