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菅原文太さんが講演

 「仁義なき戦い」「トラック野郎」など数多くの映画出演で知られる俳優の菅原文太さんが、葛西臨海公園内のホテルシーサイド江戸川(江戸川区臨海町)で4月11日に開かれた講演会に登場し、5年前から始めた農業体験や農薬問題の深刻さを伝えた。
 菅原さんは、2009年から山梨県北杜市の農地を借りて「竜土自然農園おひさまの里」を設立し、化学農薬・化学肥料を使わない方法で野菜を栽培している。ホテルシーサイド江戸川では、館内レストランで菅原さんの農園で取れた野菜を含む健康野菜を使ったコース料理などを提供する賞味会「美味食菜」を昨秋に実施し、好評により第2回(4月6日~13日)が開かれた。講演はその期間中に行われたもので、菅原さんが同ホテルを訪れ、事前に料理を食べた参加者らに向けて近況などを語った。
 菅原さんによると、今回の企画に向けて野菜を育てる時期は、「山梨でも百十数年ぶりの大雪」が降り、農園にある12連棟のビニールハウスのうち10連棟が倒壊するという大打撃を受けた。納品時期が迫る中で残されたビニールハウスやつぶれたハウスの隙間を使い、成長の速い野菜を選んで「芽が出るだろうか」と祈るように育てたところ、「今年の野菜のほうが生き生きして、色艶も良く、何よりおいしかった」。菅原さんは「大災害だったけど、人も野菜も甘やかさず厳しい条件の中で、自力で成長したものの方がしっかりするのかもしれない、ということを学んだ」という。
 また、宮城県の農家出身の菅原さんは、幼少時に肥だめ運びをしたエピソードを披露しながら、実際に農業を始めて知った農業協同組合が農薬使用にも大きく介入する農家の現状を伝え、山梨県で蜂が激減する、といった農薬の影響が疑われる現象を紹介した。山梨・長野・静岡3県の有機栽培農家をつなげ、勉強会や販売ルートの開拓といった取り組みも考えているという。「いまさら昔の生活には戻せないが、自然のものは本来のかたちに戻した方が良い。人間もおいしい力のある野菜や米を食べることが大事」と語る。
 この日参加した江戸川区一之江の栗山美絵さん(46)は「何となく抱いていた、“国内の野菜は安全”という印象が話を聞いて変わった。家族に安全なものを食べさせたいが毎日のことなので、どの程度できるか迷う」と話していた。