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老人ホーム訪問公演2000回突破 加藤寿照さん率いる「民謡寿照会」

 老人ホームでのボランティア公演が2000回以上。「随分やったもんだなという感じ。自分でも驚いているくらい」と語るのは、「民謡寿照会」を率いる江戸川区松江の加藤寿照(本名=光男)さん。83歳になった今も、毎月10回以上のペースで老人ホームを訪れ、本格的な民謡を聴かせてお年寄りたちを喜ばせている。
 元々プロの民謡家、とりわけ太鼓の奏者として活動していた加藤さんが、仲間を集めてボランティアを開始したのは1999年初めごろから。母親の見舞いに老人ホームを訪れたのがきっかけだった。
 その年の6月には、江戸川区ボランティアセンターの公認団体となり、活動を活発化。三味線や尺八、太鼓による演奏と歌、さらに舞踊も加えた「寿照会」の民謡舞踊ショーは「本格的」と評判になり、たちまち人気を集めて大小さまざまな施設から引っ張りだこになった。
 現在はプロも含めた二十数人が会員で、江戸川、葛飾区の施設を中心に、墨田や江東区、時には千葉県船橋市などまで訪れている。最近の訪問回数を見ても10月は15回、11月は13回と月の半分は訪問公演をしており、今年9月あたりで「2000回を超えた計算になります」。
 曲目は「花笠音頭」「ソーラン節」「ドンパン節」といったおなじみのナンバーが中心。恒例の「炭坑節」では施設の職員も一緒に踊り出すこともしばしば。「宮城長持唄」では、曲に合わせて嫁入り行列の演出をして楽しませたりもする。
 一方、加藤さん個人は、江戸川民謡舞踊協会会長、江戸川区民謡舞踊連盟常任理事としての顔も持ち、民謡の催しで司会を務めることも多い。
 一昨年、胃がんの手術のため入院したが、「加藤さんじゃなきゃダメ」といった励ましの声や寄せ書きなどが老人ホームから届き、ありがたく感じたという。多忙な毎日はむしろ喜びだそうで、「ホームに行くと(気持ちが)ピーンとする。自分の体をリハビリするために訪問公演しているという感じです」。施設を訪れると、「次はいつ来るのと言われたり、よかった、楽しかったという声も聞いたりするんですよね」と、うれしそうにやりがいを語る。
 民謡寿照会は一昨年12月には都社会福祉協議会から感謝状を受けた。加藤さんはこれからも太鼓をたたき、時には歌って老人ホームでの公演を「体が動く限り続けたい」と笑顔を見せる。