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続く被災地との交流 宮城・山元町の中学生38人が両国中訪問

 墨田区横網の同区立両国中学校(菊田寛校長、生徒数593人)に9月14日、東日本大震災で被災した宮城県亘理郡の山元町立坂元中学校の生徒38人が来訪し、交流会が開かれた。

坂元中に張り出された
両国中190人の手紙
 交流のきっかけは、当時の両国中3年の生徒約190人が、震災から3日後に被災地の中学生に向けて書いた手紙が、宮城県教委を通じて、坂元中に届けられたこと。手紙は、当時避難場所となっていた坂元中の掲示板に張り出され、被災者たちの励みになったという。
 その後、坂元中の生徒からの返礼があり、昨年9月には当時の3年生が修学旅行時に両国中を訪れ、生徒会本部の生徒と震災当時の様子を報告し合った。今年5月には両国中の生徒6人が坂元中を訪れるなど交流が続いている。
 津波で家が流され、車で片道約50分かけて通学している大石綾香さん(14)は手紙について、「『いっしょにがんばりましょう』という励ましの言葉などがうれしかった。震災で悲しいことが多かったけれど、交流のようなうれしいことが続くといいなと思います」と笑顔を見せた。生徒会長の星大貴君(15)も、「『がんばれ』より、『一緒にがんばろう』と言われるほうがうれしい。交流は、復興という目標に一緒に向き合ってくれていることを感じる」と話した。
 また、5月に坂元中を訪問した両国中の生徒会長・糸隼人君(15)は、町の様子に「言葉が出ず、写真を撮るのもためらった」と話し、津波の高さまで枯れてしまった一本杉を実際に見て、その高さにびっくりしてしまった。震災のことに触れてつらい思いをさせてしまうのではと考え、戸惑ったそうだが、「答えづらいような質問にも明るく接してくれた。今回は自分たちが坂元中のみんなを緊張させないよう迎えたい。実際に声を聞けることで、自分の気持ちも、みんなの気持ちも変わっていければいいと思う」と話した。
 坂元中の生徒は、14日が修学旅行の最終日で、両国中来訪前には楽しみにしていた東京スカイツリーも見学。「上から景色を見たときには、その高さにびっくりした。日本の力を間近に見られた思い」「町全体がすごくきれいに見え、感動した」などの感想も。

全校生徒と交流会
坂元で会いましょう
 両国中では、体育館で全校生徒との交流会が開かれた。双方の生徒会長があいさつした後、坂元中の生徒が震災直後と今年の山元町坂元地区の様子を写真で示しながら、報告と発表をした。坂元中は現在、全校生徒が94人。来訪した学年は、津波で家が流出・浸水した生徒が6割、生徒1人が亡くなっている。
 今年の写真には、まだやっと瓦礫(がれき)処理が進められることになったばかりという現状が写されている一方、復旧作業をする町の人たちや、手作りのグラウンドで野球をする姿、祭りの様子など、明るく前向きに取り組む町の様子も収められ、「復興を感じることができたら坂元で会いましょう」と、両国中の生徒たちに力強く伝えた。
 交流会の後は、各学年の学級委員と生徒会役員ら両国中の42人が、一緒に給食を食べて交流を深めた。テーブルごとに修学旅行の感想や同じ中3同士、思っていることなどを話し、写真を撮るなど、笑顔が絶えない給食会となった。
 きっかけとなった手紙を宮城県教委に送った、当時の3年生の学年主任・山嵜雅幸教諭は、「こうして打ち解けて食事をするのもいいもの。代が変わってきているが、これからも励まし合い、支え合っていければ」と、続く交流を喜んでいた。