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立木観音とご利益パン

 江戸川区の史跡に指定されていて「立木観音」と呼ばれているが、正規の名称は「大慈悲正観世音菩薩」(だいじひせいかんぜおんぼさつ)と言う長い名称である。観音経(かんのんきょう)に説かれている菩薩(ぼさつ)である。昔、この地を江戸時代に代々村の名主をつとめた「芦田家」の屋敷に、樹齢500余年を経た欅(けやき)の木が十数本茂っていたが、明治維新後次第に切り倒され最後の1本に斧(おの)を入れようとすると、白蛇が現われたり、戸主が患ったり、また不慮の災難に遭ったりしたため、この木を八幡社のご神木として永く残すことにした。
 そこで16代目・芦田歳太郎氏が1901年(明治34年)に行徳の仏師・浅子周慶に依頼し、この立木観音像を刻まれた。1927年(昭和2年)に観音堂を建立し、翌年、開眼法要をし、この日を縁日とした。
 観音堂の前の母屋にお住いの奥さまに色々お話をうかがった。
 観音さまの根元の上げ板をはずして見せてもらった。大地をしっかりとつかんだ根は、時代とすごさを感じさせてくれた。芦田家は室町時代末期の初代から続く豪農だった。八代将軍徳川吉宗が鷹狩(たかがり)のため、秋に何度か同家の母屋に宿泊した。その時の毛槍(けやり)、60センチの燭台(しょくだい)、ひょうたんの絵が描かれた長さ50センチの小刀などがあるそう。
 この観音堂脇にこじんまりとしたパンやさんがある。ご家族の方が商っている。このパンは自家製で、「ご利益パン」と呼ばれ繁盛しているようだ。ただし営業時間は12:00〜17:30で、水・木・金・土曜日のみ営業。

住所 江戸川区南篠崎1の4の17 芦田喜弘 tel 090-2419-3888 BAKERY tel 03-3676-4949
都営新宿線 瑞江駅南口 歩15分

撮影日 1月12日 わが町リポーター (市川たけし)