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知的障害者の余暇活動の環境づくり

 今年1月、特定非営利活動(NPO)法人格を取得した障害者の余暇活動サークル「CLAP(クラップ)」は、知的障害者が仕事帰りに立ち寄る場所として、1996年に発足したダンスサークル「STREETJAM(ストリートジャム)」を軸に、サッカーチーム「SERENO(セレーノ)江東FC」と、旅行や遊びのイベントを行う「やまこやくらぶ」を運営している。
 STREETJAMの発足は、代表の中久喜泉さん(41)が江東区の知的障害者通所授産施設の職員だったとき、福祉施設の発表会で、通所者によるダンスの担当になったことがきっかけ。前年に発表会を見た中久喜さんは「もっと年齢相応のかっこいいダンスを」と臨み、参加者から、発表会終了後も続けたいとの声があった。
 日頃から、学齢期を過ぎ、社会人として生活をする知的障害のある人たちの余暇活動の場が少ないこと、そのため人との出会いも限られ、休日も家族や一人で過ごすことが多く家にこもりがちになるなど、さまざまな問題を感じており、仲間づくりと運動不足解消などを目的に始めた。
 現在では社会人に限らず3歳から50代まで約70人が登録。江東区を中心に江戸川区などで週末に練習し、発表の場も増えてきた。「知的障害のある人たちは自分を表現することが難しいですが、活動をしているときは実にいい表情をしています」。参加者が、大勢の中に身を置くこと、仲間や友達ができた喜びを感じている姿にふれることもある。
 「やまこやくらぶ」は、通所施設を経て就労した人が、作業所では様々な行事があったが「就職して給料を多くもらっても、作業所にいたころのように友達と旅行や遊びに行くことができない。何のために就職するのだろう」と問われたことをきっかけに、98年に設立。友達や家族と行く方が自由もきくアミューズメントパークでも大勢の参加があり、「みんなでいることを求めているんだなと、活動の意味を再認識」した。
 2010年にはサッカーチームの運営も始め、CLAPを設立。現在、登録者約100人に対してスタッフは、中久喜さんを含む3人。発足当初から中久喜さんを支える岡田真由美さん(37)はアルバイトをしながら、また、境徳磨さん(32)は、障害のある人たちに仕事を教えたり、環境を整えたりするジョブコーチの仕事をし、休日にCLAPの活動をしている。友達やボランティアのサポートはあるが、今後も安全に活動をしていくために地域社会から認知され、また、「会を続け、社会に広げていくために人材を育てていきたい」と、今年から運営を組織化することにした。
 「CLAP」は、ダンスの時によく使う、手をパンとたたく簡単で、会のみんなにもなじみの動作。「たたいた瞬間何かが生まれる」そんなイメージを描いてつけた。「新しいことを一緒に始め、一緒に苦労し、できなかったことができていく。同じ気持ちになって通い合える」「自分も楽しいと思えるから続けられる」と、3人。「メンバーでもスタッフでも活動に興味を持った人はぜひ」と、参加も呼び掛けている。