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着工遠のく「すみだ 北斎美術館」

 墨田区亀沢2丁目に10月着工予定で進められてきた「すみだ 北斎美術館」は、今夏(7~8月)に建設予定地に埋蔵している弘前藩津軽家の上屋敷跡の発掘調査で南側の道路に面した部分から構築物の躯体(くたい)と思われるコンクリート片が見つかり、同区では土壌汚染の可能性も踏まえて撤去や対応が必要と判断した。
 遺構とは異なる地中の残存物があった場所は、戦前の地図では製缶工場の土地に該当するが、戦時中の強制疎開などで存在していなかった可能性も否定できず、物体の特定は難しいという。
 美術館建設においては、建設費予定価格の当初算出額が施行業者側と折り合わず、7月の入札不調後に補正予算を組んで2度目の入札に臨んでいたところで、開札を5日後に控えた先月20日に入札を中止した。9月中の建築工事契約締結が果たせなくなることで、建設費の財源としてよりどころにしていた社会資本整備総合交付金(まちづくり交付金)の補助対象外になることも懸念された(対象期間内の2014年度末工事完了が難しくなるため)。しかし、今回の場合は外的要因によるものとして国土交通省側から補助対象期間の延伸も見込めるとしている。来年4月からの消費税増税や「地域の元気臨時交付金」活用が流動的になっている状況など予算面での課題は残るが、墨田区では今後、事業計画の見直しや設計事務所との再調整などを行い、工事着手に向けて態勢の立て直しを図る。