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母校で講演 ちばてつやさん 墨田・小梅小の児童を前に

 「あしたのジョー」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」などの作品で知られる漫画家のちばてつやさん(74)が3月14日、自身が卒業した墨田区立小梅小学校(墨田区向島、五十嵐光春校長、児童数268人)を訪れ、母校の後輩を前に講演した。
 ちばさんは、小学3年生の時に同校に転入した第31回卒業生。自宅は小梅2丁目(現在の向島3丁目)にあった。高校在学中に漫画家としてデビューし、墨田区には18歳ごろまで住んでいた。 
 母校の訪問は、同校や地域からの声を受けて数年越しで実現したという。同校では学校図書にちばさんの作品を置いており、代表作を既に読んだ児童も少なくない。
 全校児童を前に、ちばさんはプロジェクターに自分の手元を映しながら講演を進めた。在学中に「怖かった」という先生の話をしながら、紙に「こんな感じでね」と、似顔絵を描いたり、来訪前に立ち寄った「言問橋の下の丸い通路が昔のままだった」と風景を描画したりすると、スクリーン越しに見ている子供たちは大喜び。後半で「あしたのジョー」や「おれは鉄兵」のキャラクターを描いた時には、会場から拍手が沸いた。
 同校時代の思い出では、絵を描くことが好きだったちばさんに漫画の世界を教えてくれた同級生の木内央(ひろし)さん(故人、のちに大正大学教授)との出会いや、国語や音楽が好きで当時の夢として小説家や詩人、音楽家を挙げながらいろいろな挑戦をしたこと、どれもうまくいかなかったが、漫画家という職業にはその全ての要素が必要だったことを語った。6年生の今井晟斗君(12)は、「ちばさんが背景やせりふを絵に書き込む時『頭に音楽が流れている』という話が心に残った」という。
 この日は、数多くの即興の絵で子供たちを魅了したちばさんだが、児童からの質問で「どのキャラクターが一番好きか」と聞かれた時には「親しみを込めて」と前置きして、「あしたのジョー」の登場人物の丹下段平を描いた。そして「こういうおじさんが近所のあちこちにいたの」と、少年時代に過ごした土地柄が作品に影響を与えたことを明かした。