top

歌声広場「よりみち」で介護予防

歌って笑って介護予防

 歌声広場「よりみち」

 

dsc_0938

プロジェクターの歌詞を見ながら懐かしい歌を口ずさむ。歌う前に「明治ミルクチョコレートの歌は一曲の中で“明治”の音程が3回変わります」「この木なんの木のCMは現在9代目」などと情報を盛り込んだ前田さんの曲紹介も名物だ

実は介護予防にもなるんです――。往年のヒット曲や唱歌などを世代の近い参加者と一緒に生伴奏で口ずさむ。介護士の女性らが立ち上げた「歌声広場よりみち」は、楽しみながら脳や体に良い刺激を与える工夫された内容で参加者の介護予防をめざしている。

「よりみち」は、介護施設に17年近く勤務した今井直子さん(78)(江東区亀戸)が、現役時代に勤務していた施設の高齢者が口にした「出かけたい」「コンサートで生演奏を聴きたい」というつぶやきをきっかけに、同業者に声をかけて2014年12月に活動を始めた。東大島文化センターや江戸川区内のセレモニーホールなどを会場に、2時間ほどの間に50代から90代までの参加者の年代に合わせた曲を計20曲程度歌う。歌以外にもプロのハーモニカ・アコーディオン奏者、中西基起さん(日本ハーモニカ芸術協会理事)による生演奏タイムや脳トレ体操をはさみ「こんな歌声サロンがあったらいいな、という高齢の方の希望を全部取り入れた」と今井さんは言う。

開催回ごとに希望者を募る形式だが、気に入って常連になる人も少なくない。明るく風通しの良い雰囲気づくりには介護福祉士の資格を持つ前田明子さん(千葉県浦安市)の司会も一役買っているようだ。一曲ごとに繰り広げる曲紹介のトークには作曲やレコード発売の年を必ず入れて、「この年に流行した言葉は……」などと、参加者の記憶を刺激する。懐かしい出来事を振り返ることで認知症予防につなげる「回想法」をさりげなく取り込んでいるのだ。

11月28日に行われた「よりみち」では、CMソングや「北酒場」「北上夜曲」といった〝北〟のつく歌特集など、テーマごとにプログラムが組まれ、なじみの曲には参加者の歌声のボリュームも上がった。

この日初めて参加したという平田愛子さん(江東区北砂)は「教員を退職してから人と話すことが減ったので、チラシを見て参加した。こういった機会があると楽しいと思った」と話していた。

「歌声広場よりみち」の次回開催は2017年2月27日。参加費千円。問い合わせは前田さん℡090・9813・2765へ。