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東京街商協同組合が組織改革 「祭りの文化」守るため決断

 秋祭りや縁日の神社・寺社の境内や周辺道路に立ち並ぶ露店は、日本の祭り風景には欠かせないようだ。ところが、暴力団追放の取り組みを強化している警察側がこの業界に対する取り締まりも強めており、露店が出ない、あるいは出店数が激減した祭りも少なくない。この状況に、都内の露天商を束ねる東京街商協同組合(本部・台東区)が組織改革を行い、今月18日の理事会から新体制がスタートした。
 新たに就任した田中淳一理事長によると、今回の組織改革で役員の総入れ替えとともに、全組合員に対する入会基準の見直しをした。背景には、昨年10月の「東京都暴力団排除条例」の施行後、露店の営業に必要な道路使用許可などの条件が厳しくなったことがある。
 使用許可は、各地の祭りに出店する露店の世話役が申請し、警備員や清掃業者の手配、苦情対応など、祭りが円滑に行われるよう取り計らう。これら世話役は、それぞれの祭りの事情を熟知しながら物事を進める〝プロ〟として、神社、寺社側から信頼を得ている人も少なくない。
 しかし、昨秋以後、警視庁管内では露天営業自体を申請段階で不許可にする例が目立つようになり、「このままでは露天商という職業の存在が危機にさらされ、ひいては祭りそのものの衰退につながりかねないとの思いから改革に踏み切った。これまでの役員らにとっては苦渋の決断」と田中理事長は語る。反社会的勢力とは関係がないことを、対外的に示す必要に迫られた結果とも言えるようだ。
 同組合は、1949年のGHQ(連合国軍総司令部)による露店撤廃令に対抗して57年に都内の露天商が連携し、東京都知事の認可を得た組織としてスタートした。現在は約330人の組合員が都内の祭りや縁日で商売をする。昨年の東日本大震災後は都内でも多くの祭礼が中止となり、露店も打撃を受けた。
 その一方、組合は直後から被災地への義援金集めを行い、同年6月には有志によるボランティアが石巻市の小学校に屋台30店を運び、地元の人たちを招待した。
 田中理事長は「露天商は、屋外で朝から晩まで額に汗して働く商売人だ。祭りは日本の力になるものなので、この伝統文化を支えることが我々の使命だと思っている。否定的なイメージを一掃することをこれからの課題にしたい」と話している。