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東京拘置所が初の公開イベント 受刑者の作業製品が参加住民らに大人気

 東京拘置所(葛飾区小菅)が9月8日、初めての一般住民向けイベント「東京拘置所矯正展 『まち』とともに」を開いた。
 同拘置所は今年3月に庁舎と外構工事が完了し、外壁のない都市型拘置所として再出発した。イベントは、これを機に近隣住民の理解を深め、刑務作業の現状と重要性を広く知ってもらうのが目的。開会式には歌手の松山千春さんが出席し、あいさつ代わりにアカペラで「大空と大地の中で」を披露する場面も。その後のテープカットは青木克徳葛飾区長、近藤やよい足立区長らも参加して行われた。
 広大な敷地内は人々でにぎわい、中でも受刑者による作業製品の即売コーナーは値段の安さもあって大人気。全国の刑務所のブースがずらりと並んだが、例えば漆製品を手がける新潟刑務所、木彫りの民芸品が目を引いた松本少年刑務所など、刑務所ごとの個性を来場者たちは楽しんだ様子。また、特にバッグや靴を中心とした革製品や大型家具には、その高度な製造技術に驚く人も多かった。
 親子連れに人気だったのは、「ちびっこ刑務官」制服試着撮影や〝白バイ〟の体験乗車、綿あめ無料配布など。被収容者に行う性格診断を基にした性格検査体験コーナーは常に行列ができ、「繊細さ」「意志の弱さ」「怒りっぽさ」など計5項目の診断結果に一喜一憂する姿も。「模擬居室コーナー」では、単独室などのミニチュア展示に興味津々。麦飯や焼き豚入りの「プリズン弁当」(350円)は昼時、飛ぶように売れていた。
 老朽化のため閉鎖中の旧庁舎は、この日は特別に入り口までの通路が開放され、重厚感あふれる外扉を写真に収める人が多かった。1932年にチャーリー・チャップリンが「各国の文化水準を知るのは刑務所を見るのが一番」との考えからここを訪れ、世界一と評したとされるこの建物は、今年度の耐震診断を経て保存か否かの方針が決まるという。
 そのほか、ステージでは葛飾区立綾瀬中学校吹奏楽部の演奏に人垣ができ、プリズンコンサート(出演=ぺぺ)、落語(出演=古今亭菊千代)なども行われた。東北4県の物産やフード類の販売コーナー、地元町会のブースもにぎわい、葛飾、足立の両区もブースを出店した。
 来場者たちは敷地の広さに驚いた人が多かったようで、同区東水元の成瀬裕亮さんは「広いですね。塀があったころから知っているけど、すっかり変わってオープンになったと思う。今後も機会を作って開放してほしい」と楽しそうに感想を話していた。