top

東京スカイツリー展望台を降りて最初に出会う場所「東京ソラマチ」東街区5階

 東京スカイツリータウンにできる商業施設「東京ソラマチ」の東街区5階部分は、展望台の到着ロビーと渡り廊下で結ばれ、降りてきた人が最初に出会う場所といえる。東武鉄道株式会社によれば、このフロアは“日本を体感するゾーン”として、国内外から訪れる来館者に日本を代表する企業の歴史・文化・技術をアピールする場になるという。出店予定の国分株式会社、株式会社ジュピターテレコム、株式会社セガトイズの3企業と墨田区は、視覚や感覚に訴えるざん新な企画を取り入れ、伝統の技から先端技術まで多くの側面を持つ日本の魅力を伝えようと準備中だ。各担当者が明かしたその“中身”を一部紹介する。

300年の歴史を食の歩みと伝える「国分オフィシャルショップ」

 1712年、江戸時代の日本橋で商売を始め、東京スカイツリー開業の年に創業300年を迎える国分株式会社(本社・中央区日本橋)は、食品・酒などの卸売業を中心に日本の食の流通に携わってきた。「国分オフィシャルショップ」は、「食」を通じた流通の歴史や、全国の生産品から取り扱う品物を選ぶ“目利き力(めききりょく)”について楽しく学べる空間になっている。
 「国分」という会社名を初めて聞く人でも、同社の扱う商品を知らない人は日本にいないはずだ。同社が取り引きする品物は約50万アイテム。これはスーパーマーケットで販売する肉・雑貨を除く大半の商品が該当するという。「国分オフィシャルショップ」の「市(いち)」と名付けられたミュージアムコーナーでは、同社の300年史をゆかりのある食品・飲料メーカーの商品と合わせて展示する。各時代のロングセラーやヒット商品などの実物も登場し、生活に身近な卸売業の存在を印象づけるものとなる。
 「蔵(くら)」というコーナーでは、酒、調味料、弁当など全国の生産品から仕入れ担当者が目利きの力を発揮して選んだ品物を紹介する。展示は、同社が取り引きする商品の膨大な“数”を印象づけるユニークな方法が取られ、産地の特徴や違いを比較できる解説がつくという。

【これも楽しそう!】
 「食」がテーマなのに見るだけではつまらない。ご安心ください。「蔵」の一角には試食コーナーがあり、同社の自社ブランド商品などを味わうことができる。また「市」では菓子・酒・缶詰などの販売も行い「300周年記念」として新商品も準備しているという。さらに、将来的には店舗内に飲食コーナーも登場する予定だ。

映像配信の“その先にある未来”を体感できる
「ジェイコム ワンダースタジオ」(J:COM Wonder Studio)

 株式会社ジュピターテレコム(J:COM、本社・千代田区丸の内)が開設する「ジェイコム ワンダースタジオ」は、103インチの大画面モニター4台が圧倒的な迫力で来場者を迎える。同社東京スカイツリータウン出店準備室によればこの「スタジオ」は、わくわくとした高揚感を引き出す映像空間であり先端技術を導入して同社のサービスを体感してもらう場所だという。
 内部は「イベントゾーン」「体験ゾーン」の二つに分かれ、通路に面した大画面モニターの並ぶ「イベントゾーン」では、同社が扱う70超の専門チャンネルが放映される。画面の前では番組と連動したイベントが展開され、例えば海外ドラマの先行試写や3D映像を使った企画など、モニターの映像を催し物の一部として利用する。また、スタジオ機能も備えているため日時・時間帯によっては生放送の現場に立ち会えるかもしれない。
 「体験ゾーン」では、映像配信に関わる新しいサービスを、これまでにない“体感型”の装置で利用者に伝える。鍵となるのは「ビデオ・オン・デマンド(VOD)」。観たい映画や番組をダウンロードして購入するサービスで、既に自宅の機器にデータを取り込むかたちで利用されているが、同社では今年に入って新たな展開を予定している。この新しいサービスについて担当者から説明を聞くのではなく「体験・体感」により感覚的に理解してもらうのが狙いだ。詳細はまだ明かせないというが、「今までにないものであることは確か」と担当者は力強く語る。

【これも楽しそう】
 自動販売機でプレゼント 体験ゾーンの一角にある自動販売機型の「J:COMプレゼントマシーン」は、気になる存在。携帯電話でアンケートに答えるとQRコードが配信され、「マシーン」にかざすとプレゼントがもらえるという。

仮想ツアーでスカイツリー建設過程を“見学”
「TREE of DREAMS〜東京スカイツリーのつくりかた(仮称)」

 国内でも類を見ない規模の構造物として注目を浴びた東京スカイツリーの建設工程。これまでも展示やドキュメンタリーなど様々な角度で取り上げられてきたが、株式会社セガトイズ(本社・渋谷区広尾)による「TREE of DREAMS〜東京スカイツリーのつくりかた(仮称)」は、これまでの建設の歩みを、映像を使ったアトラクションとして展開する。
 このアトラクションは「メイキングツアー」として、3つの「体感ゾーン」を「アテンダント」(案内人)と一緒に巡る。映像の“仮想旅”では、実写以外にCG、ホログラムなども駆使して地上から見るのとは異なる視点からスカイツリーを眺めることも可能だ。3か所ではそれぞれ異なる方法で映像を投影し、触る、感じるといった体験・体感の要素を取り入れる。ストーリーは、技術面だけでなく、ものづくりを支える“人”に焦点を当て、地元でスカイツリーの完成を見守ってきた人にとっても新鮮な驚きと感動が詰まった内容が繰り広げられるという。
 約20分間の“ツアー”は、1回の定員が30人。参加するためには800円(予定)のチケットが必要だ。

【これも楽しそう!】
 「TREE of DREAMS」には、アテンダントのほかに映像上の案内役として鳥をモチーフにした「ミチャリン」が登場。コミュニケーション能力を備えたこのキャラクターは、もしかしたら来場者に話しかけてくるかもしれない。

タワーの“てっぺん”に触る!?ちゃんこクッション!?
“驚きに満ちた”「すみだ まち処」

 東京スカイツリーを目指して遠方から訪れた人に“地元”の魅力を伝える「すみだ まち処(どころ)」。墨田区の観光プラザとして5階の出店先の中では最も広い約650平方メートルの面積を占めるエリア内には、特産品の販売(「すみだの特産」)や「茶屋」での飲食、すみだブランドとして認証された「すみだモダン」商品の展示即売(「すみだのものづくり」)、イベントスペース「すみだの歳時」などのコーナーが設置される。
 その中でも「すみだのまちあるき」コーナーは、来館者の興味をそそる雑学的な情報を、様々な仕掛けを施した「壁」や特製の展示物を使って発信する。またコーナーの一角には634分の1に縮小した墨田区の地図が床に敷き詰められ、東京スカイツリーのある押上・業平の位置に、スカイツリー頂上部に設置された避雷針のレプリカが原寸大で置かれる予定だ。墨田区新タワー調整課によると、このアイディアは「まち処」の監修にあたった小山薫堂さん(放送作家・脚本家、東北芸術工科大学教授)が、企画会議上で「墨田の“てっぺん”を持って来られるといいね」と発案したことがきっかけだという。“てっぺん”は、ゲイン塔の先に付けられた約1・5メートルの避雷針というかたちで具体化され、地上からは目にできないものを間近に見る驚きと、少し手を伸ばして触れれば「墨田の、いや日本の“てっぺん”にタッチしたよ」と自慢できる面白さが来館者を喜ばせるに違いない。小山さんは、ほかにも様々な“サプライズ”を提案し、アイディアは「まち処」の各所に生かされているという。
【これも楽しそう!】
君も「ちゃんこ」の具材になれる!
 「すみだのまちあるき」に登場する特製の展示物の一つに「ちゃんこクッション」がある。直径約1・5メートルの“鍋”の中に野菜を模したクッションが詰められ、子どもが中に入ることができる。備え付けの被りものを頭に付ければ“具材”になりきることも可能だ。「俺、エビ。お前、白菜」といった会話が聞こえてきそうだ。

7階には寄席芸のライブを見ながら食事が楽しめる
「江戸味楽茶屋 そらまち亭」〜東京ソラマチ7階

 「江戸東京の味と技」がテーマの飲食店フロア「東京ソラマチ」7階に出店する「江戸味楽茶屋 そらまち亭」(東武食品サービス株式会社、本社・豊島区西池袋)は、店内にステージ(高座)が設けられ、夜は落語や演芸などの生舞台を見ながら食事が楽しめる。「雲の上寄席」と名付けられた高座では、株式会社ねぎし三平堂の演出で、1回あたり約30分の寄席芸が毎晩繰り広げられる。食事は、江戸時代の「食」を意識して、昼は定食や御膳料理を中心に夜は居酒屋として現代版の“江戸居酒屋料理”もメニューに並ぶ予定だ。

鶴岡の名店「アル・ケッチァーノ」が関わるイタリアン

 江戸川区の姉妹都市といえば山形県鶴岡市。鶴岡市から生まれ、庄内産の旬菜を使ったイタリア料理で高い評価を受ける「アル・ケッチァーノ」のシェフ・奥田政行さんが企画に関わる飲食店が「ソラマチ」に開店する。
 今回の出店は、環境プロジェクトへの融資を行う一般社団法人「ap bank」(渋谷区神宮前)が「アル・ケッチァーノ」と共同経営により、31階のスカイラウンジにイタリアンレストラン、1階にオーガニックカフェを開く。「食」と「農」をテーマに、日本各地の生産者と都市で生活する人をつなぐ試みを飲食店で実現させたもので、生産者の顔が見える、食材の味を実感できる店をめざすという。
 運営は「ap bank」の設立者である音楽プロデューサーの小林武史さんが代表取締役を務める「株式会社kurkku(クルック)」が中心となり、同社が運営する代々木や神宮前などの既存店舗で活躍するシェフなどが現場に立つ予定だ。奥田さんもシェフの選定などに関わり、新しい店では時々姿を見せることも期待できそうだ。