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本所高校でアクティブラーニング

アクティブラーニングで

地域の課題解決に取り組む

本所高校

 

「君たちの多くが社会人1年目を迎える2022年に、本所高校のある墨田区がどんな発展を遂げていてほしいか」――グループでの意見交換などを通じて自分たちで課題を見つけて解決に導く学習方法「アクティブラーニング」を取り入れた授業が都立本所高校(墨田区向島)で行われた。

寸劇の様子2

寸劇による発表では笑いを誘う名演技も

板書をノートに写しながら先生の話についていく“講義型”が日常となっている学校に「アクティブラーニング」を取り入れ、地域の課題解決のワークショップとして行われた授業に、1年生が総合学習の時間9コマ分を費やして取り組んだ。6年後の地域の未来像を描きながら、実現のために自分たちに何ができるかをグループごとに話し合うもので、最後に寸劇や壁新聞などのかたちで発表する。

授業を担当したNPO法人サウザンドポート(同区向島)は、区内小中学校の出張授業や児童館職員・教員向けワークショップの企画など、地域のつながりを重視した教育支援活動を行っている。アクティブラーニングは、子供たちが自分の知識を社会とのかかわりの中で活用するための資質や能力を育む方法の一つとして、最近の学習指導要領改定の議論でも取り上げられているが、1単位時間内にまとまった量の知識を教える現状の学びの方法とは異なるため、同校が外部講師に依頼して試験的に実施した。

2月18日には、1月中旬から2月にかけて行われた授業の総仕上げとして6クラス全員が集まり、体育館で成果発表会を行った。各組の代表2グループの新聞紹介や寸劇披露で発表された未来予想図は、「全世代が参加できる階級別の大会開催で相撲が地域共通の話題に」「東京スカイツリーから月旅行へ」といった奇抜な案も登場。「公園を増やし本所高校で企画したイベントで多くの人の足を墨田区に向ける」「パソコンをお年寄り教えて高齢者と高校生がインターネットで交流できるようにする」といった〝自分たちに何ができるか〟を具体的にした内容も見られた。「思った以上に生徒たちは認識力があり、見せ方もいろいろ考えている」と進路指導主任の池田栄一先生も感心していた。

体育館の壁に貼られた壁新聞

体育館の壁に貼られた壁新聞

生徒たちには「決まった枠組みがないので最初は考えるのが面倒だと思った」(吉原麻由さん)、「自分たちにできることは限られるが、こういうテーマを考える機会は良いと思う」(久田龍澄さん)など様々な意見がある。「おもしろいが、手間がかかる」という準備の負担を気にする声は教員の間にもあるが、生徒同士が相互に対話して考える力を行動する力につなげるための教育は今後重要性を増すに違いない。「生きる動機、働く動機を若い人たちに持ってもらいたい。教育現場ではアクティブラーニングが有効ではないか」とサウザンドポートの鈴木篤司代表理事は話している。