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最高齢・最多記録更新 ヨットで単独無寄港世界一周

 ヨットでの単独無寄港世界一周に挑戦していた斉藤実さん77歳が9月17日、約3年をかけて横浜港(横浜市)に無事帰港。自身の持つヨットの単独世界一周最多と最高齢の世界記録を更新した。
 午前10時30分頃、多くの知人や支援者らが見守る中、愛艇「二コル酒呑童子(シュテンドウジ)III」で横浜港桟橋に接岸。支援者らが「お帰りなさい」と声をかけると笑顔で手を振り「俺は生きて帰ってきたぞ」と大きな声で答えた。
 安国学園(墨田区横網)出身の斉藤さんは、39歳でセーリングを始め、57歳で初めて単独世界一周を成し遂げ、2005年6月に71歳で7度目の単独世界一周に成功。「最高齢」と「最多」の記録を樹立。2008年9月に、10か月の航海を予定して8度目の単独無寄港世界一周に出港したが、途中チリ沖で嵐に遭い、15メートル近い波でヨットが損壊。自身も腰などを負傷し、修理と治療のためチリに寄港した。
 今回挑戦した地球の自転に逆らって進む西回りは、風や波に向かい、海流に逆らって進むため東回りより苛酷で難しいとされる。斉藤さんの同級生で、この挑戦を支援してきたひとり安田学園(墨田区横網)同窓会支援有志会の代表・植村昭さんが、以前「なぜそんな困難な挑戦をするのか」と聞いたとき、斉藤さんは平然と「東は7度回ったから、今度は西をやってみたい」と答えたという。3年の間持病の心臓病の薬を持ち、腰のヘルニアの手術なども乗り越えて帰って来た斉藤さんは、会見の席で「航海はとにかく挑戦、10メートルの波も乗りきって行くことだけ、逃げないで向かってゆけばどこかに切り込む道が見えてくる」と話し、東日本大震災で被災した人たちにも「必ず道は開けます、頑張りましょう」とエールを送った。