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映画「もういちど」試写会開催

 深川江戸資料館(江東区白河)で全編ロケを行った映画「もういちど」の公開を前に、「特別親子試写会」が8月11日に同館で開催され、上映後には主演の林家たい平さんらが登壇。「こども落語教室」を開いて満員の会場を沸かせた。
 映画は、江戸末期の深川佐賀町を舞台に、長屋で暮らす人々や家族の絆を描いた人情物語。ある事件を機に落語家になることをやめた男・たい平と、落語家にあこがれる少年・貞吉を軸に、江戸庶民の交流を笑いと涙でつづったストーリーだ。
 落語を映像に収め映画館で上映するシリーズ「映画館落語 かもめ亭」を立ち上げ、これまでに2作品でそのナビゲーターを務めてきたたい平さん。その延長線上にある今回の「もういちど」では、企画と落語指導、さらに主演での映画デビューと3役をこなした。
 「子供たち、それから家族に届く〝落語というボール〟を投げたいとの思いがありまして。混沌(こんとん)とした世の中にあって、想像力がとっても重要になってきていて、その力を養う練習になるのは落語だなと思っているんです」と語るたい平さん。子供たちに落語に少しでも早く出会ってほしいとの思いが、この企画の出発点だ。
 同館初の映画ロケはたい平さんの提案で、「二ツ目時代、時間がある度に足を運んだ場所。長屋にどんな人が住んでいるんだろうとか、想像を膨らませながら江戸をここで体感していました」。撮影は休館日に行われたが、映画用のセットとは異なり苦労も多かったという。それでも「落語は一人で演じるので、相手の間を感じながら皆で演じたことが新鮮で楽しかったですね」。
 この映画を通じて「日本人としての豊かさとか、人と人がつながることの大切さ、その先にある幸せをたくさん感じてもらいたい。3世代で見に来てもらえればうれしいです」と呼びかけている。
 試写会終了後の落語教室では5人の子供たちがうどんやそばを食べるしぐさを教わり、「ズズズー」と声を出す子供たちのかわいさに客席は笑顔でいっぱい。板尾宏幸監督がこの日のために編集したメーキング映像を初公開すると、撮影現場写真の数々をたい平さんも客席で見入り、再度登壇したときには感極まった様子で目頭を押さえていた。
 その後、観客たちは映画が撮影された同館の総合展示室を見学。たい平さんの指導を受けた井上泰直君は8歳にして落語ファン。「映画は少し泣いちゃった。ずっとたい平さんに会ってみたかったのでうれしかった」と声を弾ませ、家に帰ったらそばの食べ方を練習したいと張り切っていた。
 同映画は8月23日から全国の「イオンシネマ」で公開される。