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日本動物大賞に江戸川区ペットクラブ連絡会

全国でも珍しい動物愛護団体連携の成功例

日本動物大賞に江戸川区ペットクラブ連絡会

一方で課題解決の難しさも浮き彫りに

 

 江戸川区の動物愛護団体が連携して活動する「江戸川区ペットクラブ連絡会」が、「第7回日本動物大賞」を受賞した。3月23日に港区南青山で表彰式が行われた。

江戸川区ペットクラブ連絡会の役員(後列左から鈴木重鎮会長、當麻隆事務長、増田千恵子さん、畠中美智子さん、前列が中眞久さん、伊藤稔副会長)

江戸川区ペットクラブ連絡会の役員(後列左から鈴木重鎮会長、當麻隆事務長、増田千恵子さん、畠中美智子さん、前列が中眞久さん、伊藤稔副会長)

 日本動物大賞は、公益財団法人日本動物愛護協会(港区)が、動物理解、自然理解に功績を挙げた動物や優れた動物愛護活動を行う個人・団体を顕彰する。大賞に選ばれた江戸川区ペットクラブ連絡会は、2006年に南葛西地域の犬の飼育者グループ3団体が前身となる組織を立ち上げ、現在は14団体が月1回、地域猫対策、集合住宅でのペット飼育マナーなどを話し合い、講演会開催やペット管理関連の相談対応も行う。個人や少人数の地域猫ボランティアとの連絡体制も築いている。

 受賞は、14団体が反目せずに地域の飼育環境改善に向けて活動している点が評価された。同協会によると、動物愛護で複数の団体が連携してもうまくいかない場合が多く、「これだけの数で活動を続けていけるのは珍しい。全国のモデルとなる事例だ」という。

昨年5月に新左近川愛犬の会、えどがわ環境財団と連携して犬のしつけ教室を開いた(新左近川親水公園で)

昨年5月に新左近川愛犬の会、えどがわ環境財団と連携して犬のしつけ教室を開いた(新左近川親水公園で)

 今回の評価には、活動が飼育者団体内にとどまらず、行政や地域に働きかけて課題解決に導いたことも含まれる。その一つとして飼い主のいない猫を「地域猫」として町会・自治会の合意を得たボランティアがルールのもとで飼育する環境作りを推進し、地域猫の不妊・去勢手術助成を区の事業化に結びつけた。端緒を開いたのは、南葛西地域の行政相談員、丸山和美さんの呼びかけで08年に開かれた懇談会だ。町会・自治会、区の担当部署、動物嫌いの人、ペットクラブ連絡会から代表者が集まり、当時を知る職員が「喧々囂々(けんけんごうごう)から数回かけて侃々諤々(かんかんがくがく)になった」と振り返る激しい議論の応酬を経て野良猫の環境悪化防止に向けた対策を検討するようになった。

 会員らは受賞を喜びつつも、ペットをめぐる課題が一朝一夕には解決しない現実も見据える。「5年後に向けて(野良猫の)殺処分がなくなると良いが、なかなか難しい」「ペットをめぐるトラブルは地域コミュニティーの破壊につながる」と語る役員もいる。全国でも珍しい動物愛護団体連携の成功例として、今後の活躍が期待される。