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教科書に葛西囃子

 4年ごとに行われる教科書の改訂で、来年度版の小学生用の教科書に「葛西囃子(かさいばやし)」が登場することになった。「葛西囃子」を紹介しているのは教育出版株式会社(千代田区)が発行する「音楽のおくりもの4」と「小学社会3・4上」の2冊だ。
 音楽の教科書では、日本や外国の特徴あるリズムの一つとして「おはやし」の項目で葛西囃子が取り上げられている。
 葛西囃子は、江戸時代に葛西神社(葛飾区東金町)の神主が作り、現在の葛飾区や江戸川区などの農村部の若者に教えたとされ、時の為政者による奨励もあって広く流行した。神田囃子、深川囃子、秩父囃子など関東各地の祭り囃子には今も葛西囃子の流れをくむものが多く、篠笛(しのぶえ)の「ピーヒャラ♪ピーヒャラ♪」という音色は祭りをイメージさせるものとして多くの人になじみ深いものとなっている。1953年には都指定無形文化財になった。
 一方、「小学社会」では、郷土芸能の存在を後代に伝える事例として、小学校で行われている「葛西ばやし」の体験学習が紹介されている。こうした取り組みを支えるのは地元の保存会で、葛西神社での奉納演奏や小学校での演奏会を開く「葛西囃子保存会」、江戸川区の中学校での音楽教育活動に協力する「東都葛西囃子睦会」が、現在も練習や演奏活動を続けている。
 教育出版によると、葛西囃子を扱ったのは今回が初めてで、「伝統芸能の保存・継承が、小学校を含む地域全体で熱心に取り組まれ、体験学習の稽古には教育活動としての側面が重視されている」という。今回の改訂では、各教科書出版社で3年前の東日本大震災を意識した内容を盛り込む可能性が高く、同社でも社会科の自然災害の項目に被災地の写真が加えられたり、音楽の教科書にNHKの復興応援ソング「花は咲く」が載ったりと、4年前との違いが現れている。

1・2年生向け「せいかつ」には
江戸川消防団第3分団を掲載

 採択状況により、全国の学校で使われる可能性のある教科書。登場する場所や人物がどこの誰かを意識することはほとんどないが、教育出版の来年度用の小学1・2年生向け「せいかつ」(下巻)には、江戸川消防団第三分団の写真も取り入れられている。子供たちが地域の人の仕事に興味を持つことを狙いとした学習で、「しょうぼうだん」のモデルに採用されたのだ。
 撮影当時の分団長で、江戸川区松島で食品スーパーを営む神宮司忠さん(69)によると、松島、西小松川地域の範囲を担当する第三分団は、江戸川消防団の10分団で最も大きく、火災予防や非常時の出動などの他に4年前から近隣の小学校の社会科学習に協力して、授業の一環として児童らに活動内容を説明するなどの取り組みも行っていたという。教科書には、同区西小松川町の第三分団格納庫前で、団員が子供たちにホースや消防器具の扱い方を教えたり、感謝状を受け取ったりする写真が掲載されている。