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手品と踊りでお年寄りを笑顔に

1410842798 老人福祉施設を訪れてマジックや踊りを披露する「夕やけ小やけ会」のボランティア活動が9月9日で1600回を迎えた。運送会社経営という仕事を抱えながらマジックでボランティアを続けてきた田崎国男さん(75)(江戸川区中央)夫妻など計4人で、15年以上続けている。毎回の訪問先に書いてもらう芳名帳は41冊になった。
田崎さんがマジックを始めたのは1994年、日本奇術協会の名誉会長で「オリーブの首飾り」のBGM使用でも知られる手品師・松旭斎すみえさんが、江戸川区船堀への転居を機に開いたマジック教室に、第一期生として妻の豊子さん(73)や次男夫婦と通った。“見せるマジック”は、江戸川区の老人福祉施設への慰問ボランティアを続けていたアマチュアマジシャンの大和正義さん(故人)に夫婦で同行したことがきっかけだ。一緒の舞台で日本舞踊を披露していた石川治勇(はるお)さん(71)(江戸川区南小岩)と大沢シキ子さん(70)(江戸川区松江)とは後に「夕やけ小やけ会」を結成して、大和さん亡き後もお年寄りをマジックと踊りで楽しませている。足立区の銭湯や東日本大震災後は被災地にも足を延ばし、活動回数は月に10回を下らない。現在も全員が仕事の予定をやり繰りしながら時間を作る。昨年から会長職に退いた田崎さんも現役で多忙なころは、舞台上で「これから仕事に行くので続きは妻に」と、豊子さんに引き継ぐことがあったという。
99年9月8日の日付で始まる芳名帳は「一期一会」と題名をつけられ、田崎さんが訪問先の職員に書いてもらう。各ページには「寒く風も強い中、足を運んでくれてありがとう」、2011年の3月には「毎日余震が続き不安と恐怖の中、マジックと踊りで明るくしてくれ(た)」ことへの感謝などが記され、活動の軌跡を記す貴重な記録となっている。
9日は、「アゼリー江戸川」(江戸川区本一色)を訪問し、「夕やけ小やけショー」として石川さんと大沢さんが踊りや歌を披露、豊子さんが花や小箱を次々と出すマジックで観客を驚かせ、最後に田崎さんが「本日で15年間1600回達成」と書いた小旗を出して場を盛り上げた。
「これほど続いたのは偶然かもしれないが、よくやった。一緒に動く仲間のおかげ」と田崎さんは言う。余韻に浸る間もなく、次回は福島県を訪れるという。