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常盤新平の手紙を公開

展示コーナーの前で常盤新平直筆の手紙を持つ羽住さん(右)と友山さん

展示コーナーの前で常盤新平直筆の手紙を持つ羽住さん(右)と友山さん

江戸川高校文化祭で

直木賞作家

常盤新平の手紙を公開

 

江戸川区に住んだ経験のある翻訳家で、直木賞受賞小説「遠いアメリカ」でも知られる作家・常盤新平(1931-2013)を紹介したいと、9月12日、13日に行われた都立江戸川高校(江戸川区松島)の文化祭で卒業生団体「蓮葉会(はちすばかい)」が展示を行った。常盤さんと生前に親交のあった同区大杉の羽住博之さん(74)が所蔵する直筆の手紙なども公開した。

常盤さんは、早稲田大の学生時代に平井、結婚後に清新町(「西葛西の団地」と作品にある)に住んでいた時期があり、小説やエッセーには江戸川区内の街並みや喫茶店などを舞台にしたものが多く残されている。常盤さんの作品の愛読者だった江戸川高校15期生の羽住さんは、役員を務めていた会社主催の講演会で常盤さんに講師を依頼したことがきっかけで交流が始まった。食談議で盛り上がり、互いに気に入った店の情報交換をしたという。また、屋形船での隅田川花火大会の鑑賞に招待した時は夫婦で参加してくれた、と思い出を語る。

展示は、文化祭の「蓮葉会」コーナーの一角を使い、作品に登場する場所を記した江戸川区の地図や、「ワンモア」「儚夢亭」など当時常盤さんがよく訪れた平井の喫茶店の写真を紹介した。公開された羽住さん宛てのはがきや手紙は、花火大会招待の礼や送ってもらった雑誌が届いたことを伝える内容が丁寧な文面でつづられている。

展示には、同校の国語の先生や写真部も協力し、蓮葉会広報委員長の友山邦雄さん(66)(23期生)は、エッセー「たまかな暮らし」に登場する「酢みそであえたレタスと玉ねぎとセロリのサラダ」を持参して来場者をもてなした。「訪れた土地の様子を盛り込みながら読ませる常盤さんの作品は魅力的。卒業生とかかわりがあった江戸川区ゆかりの作家として、若い人にも知ってもらう機会にしたい」と羽住さんは話していた。