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山田洋次ミュージアムオープン 葛飾柴又の新名所に

 映画を撮り続けて50年、昨年10月には文化勲章を受章した山田洋次監督の足跡をたどる「山田洋次ミュージアム」がこのほど葛飾区柴又にオープンした。
 今も第一線で活躍する山田監督。葛飾区柴又が舞台の映画「男はつらいよ」シリーズが代表作だが、それ以外にも「下町の太陽」「家族」「幸福の黄色いハンカチ」といった名作の数々や「学校」シリーズ、「たそがれ清兵衛」を始めとする時代劇など、話題作を次々と世に送り出してきた。近年も「母べえ」「おとうと」がヒットし、最新作「東京家族」は1月19日に公開だ。
 今回完成したミュージアムは、山田監督が名誉館長を務める柴又の「葛飾柴又寅さん記念館」と隣接する建物2階に開設された。展示室面積は約95平方メートル。チケットは記念館と共通で500円。
 ミュージアムの中央に設けられているのは、映写機とフィルム、フィルム缶などからなるシンボルオブジェ「フィルムよさらば」。急速なデジタル化の波により、フィルムが消えつつあることを暗示したタイトルだ。

全作品の予告編も 式典に橋爪さんら
 オブジェを囲む壁面は「家族とは」「教育とは」「時代劇三部作」など、8つのテーマ設定に沿った映画関連展示。パネルや写真、実物の台本など貴重な品々が、その時代の社会情勢の解説や山田監督の言葉とともに並ぶ。そのほか、渥美清さんに関する展示や「山田洋次全作品予告編コーナー」などもあり、スペースはさほど広くないものの、じっくり時間をかけて見学したい濃密な空間になっている。
 昨年12月15日のオープン初日には式典が開かれ、山田監督始め「東京家族」出演者の橋爪功さん、吉行和子さんらが出席した。式典後、ミュージアムを見学した山田監督は「時間をかけてゆっくり見てもらうと、色々なことが発見できると思う」と新施設を紹介。
 また、展示コンセプトの一つは「フィルムよさらば」と説明し、110年の歴史があるフィルムからデジタルへの転換について「あまりにも急激だった。世界中の映画人が持っているノウハウが消えていく不安がある」という問題提起も。今ではデジタル上映が主流だが「撮影だけはフィルムで続けたいと思う」と自身のこだわりを述べていた。

寅さん記念館リニューアル
 一方、この日は「寅さん記念館」もリニューアルオープン。新設された〝タコ社長〟の「朝日印刷所」を見た山田監督は「こんなに良くできているとは思いませんでしたね。あのまま撮影ができそう」と絶賛。午前中の式典などの後、正午から一般入場が始まり、入り口には開場前から長蛇の列ができていた。