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居酒屋が〝子連れ歓迎デー〟初開催 専用フロア設け気兼ねなく

 たまった憂さを〝飲んで晴らして〟という訳にいかない子育て中の母親のために、居酒屋「はなの舞」平井南口店(江戸川区平井)が、特定の日に限り子連れ来店を歓迎する取り組みを2月から始めた。初めて実施した12日は、親子約30人が来店した。
 店の一角にしつらえた台では、店のスタッフが〝縁日風〟にパックに入れた料理を販売。「焼き鳥ください」と、子供たちが喜んで買いに行く。保育園のママ会、友人や家族との食事などの場合、大人同士の会話を楽しみたい子連れでの外食は、早々に食べ終わった子供が夢中になれるものも必要だ。
 この日は平井在住の石垣一雄さん(54)が、得意の技術を生かして作る風船細工が大好評だった。友人と利用した児玉由美さん(30)(同区平井)は「全ての居酒屋でやるのは難しいと思うが、子連れ歓迎ムードを出してくれると店があれば、気を使わずに利用できてうれしい」と話した。 
 「正直言って、これまでは『子供対策』を練る立場でした」。と語るのは「はなの舞」平井南口店のマスター、岡村定文さん(44)だ。今回の企画は、実は〝逆転の発想〟から生まれたという。この店でも子連れで来店する客は意外と多く、時には店内を走り回る子供を店員が注意することもあった。居酒屋を大人の社交場と考える人にも不愉快な思いをさせないために、子連れ客をどう受け入れるかは店側の人間にとって悩みの種だった。
 一方で、育児疲れによるノイローゼや母親一人で抱え込む子育ての現状を知人から聞いたりニュースなどで耳にしたりすると、岡田さんは、「鬱積(うっせき)したストレスも、誰かに聞いてもらうと気が晴れるのではないか」と考えていた。そんな思いや、子連れ客の対応を同じ店で働く妻の美香さん(38)とも話題にした。美香さんも、子連れの女性たちが店で過ごす様子を目にして同じ思いがあり、ある時「逆に子供を集めてみたら?」と提案した。 
 こうしてビルの2・3階に分かれている店舗の一部を子連れ客専用フロアにし、母親たちに気兼ねなく利用してもらう日を設ける、という案が岡村さんによって具体化し、「まずは平日にやってみよう」と実施を決めた。
 次回の子連れ歓迎デーの開催予定は、店のポスターや岡村さんのツイッターで告知するが、初日の様子を見た岡村さんは、「子供たちが風船に夢中になっている間、お母さんたちがおしゃべりできていたようで良かった。反響や反省を踏まえて、月1回程度開催したい」という。