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女性2人の帽子の工房「Catchno製作所」 江東区平野に5月オープン

 江東区平野1丁目の住宅街にある「Catchno製作所」は、経営者の女性2人が日々帽子を作り出す小さな工房だ。看板はなく、わずかに開いた扉の隙間から見える作業場の様子が、通行人の好奇心を誘う。
 この場所で今年5月から帽子を作っている宇治はるひさん(28)(江東区北砂)と鎌田淑子(しゅくこ)さん(31)(江戸川区東葛西)は、6年前に通っていた帽子の専門学校で知り合い、同じ帽子の製造会社で約5年間働いてから独立した。かつて事務所・倉庫として使われていた場所を、工務店に勤める友人らが改装し、工房としてスタートさせた。現在は、企業から大口の注文を受けながら、オーダーメードの帽子を制作している。
 始めてわずか3か月。「まだ工房としての色が強いので」と、営業活動もしていない2人だが、工房の前を通りかかって「気になって入ってくる人」から帽子の制作を依頼される。幾つかの見本を見せて相手の希望を聞き、提案を繰り返しながらデザインを絞り込んでいく。時には、がんの治療を始める女性のために髪が抜けた後の頭のサイズに合わせ、むれにくい快適な素材を選ぶという特別な需要にも対応する。
 2人が作る帽子は「型物」と「布物」の2種類。木型に「帽体(ぼうたい)」と呼ばれる帽子の形に近い形状の材料を「型」にかぶせて成型する「型物」と、洋服と同じ要領で型紙から縫製して仕上げる「布物」。いずれも作る過程を見る機会のない者には作業自体が新鮮に映る。
 「かたちのせいさくしょ」と読ませる屋号「Catchno製作所」には、「この場所で、帽子作りを中心として洋服やテキスタイルなど自分ができるさまざまな可能性を探りたい」という2人の思いが込められているようだ。
 多摩美術大学でテキスタイル(布地・織物)を専攻し、服飾の分野にも詳しい宇治さんと、「作ることが好き」で縫製のプロとして技術を磨いてきた鎌田さんは、「性格は正反対」ながらも相性の良いコンビだ。これからも帽子を手がけながら毎日様々な美しい形を生み出していく。

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catchno製作所 江東区平野1の4の13。午前10時30分から午後7時まで、水曜定休。帽子のオーダーは「型物」が1万円から、「布物」が8000円から。
問い合わせはメールcatchno_seisakusyo@yahoo.co.jp