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変わるJR新小岩駅周辺

 「やっと長年の懸案が一つ、まとまりました」――。JR新小岩駅南口(葛飾区新小岩)の歩道橋が昨年12月に撤去されたことを受けて「新小岩南地域まちづくり協議会」の岩城堅司会長は、地元住民たちの期待にようやく応えることができて「ほっとしていますよ。それが実感ですね」と笑顔を見せる。12月21日にはJR東日本が同駅南北自由通路着工の鍬入(くわい)れ式を行った。いま新小岩の街が大きく変わろうとしている。
 地元自治会や町会、商店会などが中心となり1988年に結成された同協議会が、この歩道橋撤去と横断歩道新設の要望を始めたのは今から15年ほど前。高齢化が進み、またバリアフリーが叫ばれる時代に、平和橋通り(都道308号)に架かるこの歩道橋は老朽化も進み、足の不自由な高齢者やベビーカーを押す母親にとって負担が大きく「回遊性の阻害要因になっていた」と岩城さん。また、面倒な歩道橋を避けて、横断歩道がない車道を突っ切る人もいて「大変危険に思っていました」。
 この歩道橋の撤去の要望がなかなかかなえられなかった背景には、長い間、同駅南口がバスの要所になっていたことがある。2011年3月には同駅東北広場が完成し混雑は解消されたが、以前は北へ向かうバスも南口の発着で、この歩道橋の下をバスが頻繁に左折するため「東北広場ができるまで歩道橋は撤去できないと警察に言われていました」。
 この東北広場完成が、歩道橋撤去への大きな一歩。次いで、行政や事業者に働きかけて、南口バス停のロータリー沿いへの配置換えが実現。さらに平和橋通り沿いに停車し渋滞の元となっていたタクシーを移すべく、南口広場中央部分のスペースに24台分のタクシープール設置も果たした。
 南口駅前広場については今は暫定的な整備だが、こうしたレイアウト替えを経てようやく実現した歩道橋の撤去工事は昨年12月上旬から始まり、階段部分が取り外されるとともに新設の信号機付き横断歩道が利用開始に。同月14~16日までの深夜には10分程度通行止めもして、橋の部分をクレーンで持ち上げ回収した。一部残る架台も年度末までに撤去する予定という。
 一方、総武線の駅構内に整備される南北自由通路は18年度の完成予定で、回遊性のさらなる向上が期待される。同協議会の伊藤雅良事務局長は、今回の撤去を大きな一歩と捉えつつも、すでに今後の新小岩地域の街づくりに目を向ける。新しくなる新小岩駅舎には念願のホームドアの設置も実現するが、そのほか地元住民の意向を伝えるため「協議の場を作ってくださいとお願いしています」。さらに木造密集地域の災害対策や松南小学校跡地を活用した「松南の森」プロジェクト(第一期工事が完了)などは現在進行中で、より良い街づくりの実現に向け伊藤さんは「今後もいろいろ提案していきたい」と意欲を見せている。