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墨田区がマイスターと博物館を認定

 墨田区がこのほど、「すみだマイスター」に江戸指物(さしもの)の益田大祐さん(38)(墨田区立川)を、「小さな博物館」に江戸表具博物館(前川治館長、墨田区千歳)を認定した。今回の認定で、すみだマイスターは計37人、小さな博物館は計27館となる。
 江戸指物の益田さんは、高等専門学校工業デザイン科を卒業して家具会社に就職、そこで江戸指物に出会って魅了され、台東区の江戸指物師に弟子入り。8年の修業を経てさいたま市で独立、2009年に墨田区立川に移転した。世襲ではないのが大きな特徴だ。
 指物はくぎなどを一切使わず、木と木を組み合わせて作られた家具や建具、調度品などのことで、江戸指物は京指物の華やかさに比べて木目などを生かした素朴な作風とされている。益田さんはデザインから、制作、仕上げまでを一貫して手がけており、デザインのセンスには定評がある。例えば、益田さんが作る「合曳(あいびき)」(歌舞伎などで使われる正座を楽にする小さな腰掛け)は極めて完成度が高い。
 益田さんは「木で作れるものならすべて作ることができる指物の面白さを積極的にPRしていきたい。現在、若手職人を集めて『もの型(がた)り』という職人グループを作り、活動しています」と語っている。
 江戸表具博物館は、今年で創業95年になる前川表具店が運営。館内には、江戸表具師が使用する刷毛(はけ)や糊(のり)、鉋(かんな)などの道具、襖(ふすま)や掛け軸の製作工程を説明したパネルが展示されている。実物の襖を使って製作工程を紹介し、襖には60キロぐらいの大人が乗っても壊れない強度があり、防音、保温性にも優れていることを説明する。表具とは、布や紙を張ることによって仕立てられた巻物や掛け軸、屏風(びょうぶ)のこと。経師(きょうじ)の仕事は経や書画を鑑賞、保存するために裂地(きれじ)や紙を貼って裏打ちすること。京表具、金沢表具、江戸表具が三大表具とされている。
 館長の前川さんが小さな博物館を開館したのは、多くの人に表具の世界を伝えるため。「入りづらさをなくし、表具職人の技術や作品を広めていきたい」と考えている。江戸表具博物館は墨田区千歳3の5の11。月~金曜の午前10時~午後4時(予約制)。TEL3631・0508。