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墨田、江東の舟運社会実験 参入事業者増加で船も多様化

 墨田、江東両区が進める隅田川や江東の内部河川を活用した観光舟運の社会実験は、10月の第3期(10月15日―28日)から新規参入事業者が一挙に5増え、河川を行き交う船の種類も多様化している。
 この社会実験は、両区が舟運観光を本格的に事業化する前に、各事業者が提案する様々な企画を通じて利用状況や採算性などを検討するのが狙い。8、9月を中心とした第1期、第2期を含め、11月まで4期に分けて実施している。
 墨田区観光課によると、2グループ、3事業者による第1、2期の利用者は、東京スカイツリー観光に訪れた関東近県や近隣区からの観光客を中心に約1300人だった。暑い日が多く、PRも徹底していなかったこともあり、当初の予想よりは少なめだった。
 しかし、実際に乗った人の感想はおおむね好評で、船からの眺望や「また来たいか」を利用後に問うアンケートでは、高い満足度を示す回答が多かったという。唯一評価が割れたのは価格面で、2000円台の料金は「高い」と「妥当」で意見が分かれた。
 第1期から参加している株式会社ジールと東武トラベル株式会社共同のクルーズは、一律2000円だった乗船料を第3期から細分化し、中高生・こども料金を設定した。また、第3期のコースには飲食付きの企画も登場し、プラスアルファの要素で割高感を薄める工夫も試みている。
 第1・2期から参加しているジールと東武トラベル、スカイシップ株式会社の2種類の船に加えて、第3・4期は5事業者が参入したのに伴い、船のバリエーションもその分増えた。。隅田川沿いの吾妻橋防災船着場から出航する舟は比較的大型だが、北十間川のような川幅の狭い箇所を運航する場合は10人前後の小型の船を使う。
 この事業に向けて新たな船を用意した事業者もあり、まだ社会実験期間中とはいえ、運河巡りビジネスは観光業界から熱いまなざしを注がれ、拡大する勢いを見せている。
第4期は11月1日から30日まで。各ツアーの詳細は墨田区役所観光課ホームページで。

【ルーク号・カノン号】
株式会社ジールと東武トラベル株式会社の「運河探検クルーズ」で使う運河船。おしなり公園と横十間川・亀戸天神桟橋付近を往復するコースは、予約なしの乗船も可能。

【静かに】
スカイシップ株式会社が開発した和船タイプの小型電動船。写真は現在製造中の屋根付きタイプを本紙で初公開。※3・4期は屋根なしで運航。

【江戸東京号】
中央区の企業、学校法人、NPOが地域活性化を目的に結成した「江戸東京再発見コンソーシアム」の企画で使用。これまでも日本橋川、神田川などを巡る有料コースで、都心の水辺環境の素晴らしさをアピールしている。

【多聞丸】
今年9月に江東区亀戸に設立された船会社・株式会社ガレオンが、この実験に参加するために造った小型屋形船。船内には座敷がある。乗客12人乗り。

【オープンエアリバークルーザーNEEDS2】
株式会社東京湾クルージング(江戸川区南葛西)は、「低い橋の下や狭い所も航行できるように」と屋根なしの船を選んだ。番所橋船着場から亀戸・大島地区を囲むコースは、一周1000円と手頃で、区間単位での乗船も可能(1区間大人300円、要予約)。※第3期のみ運航。

【プラグアンドプレイ】
都内や近県の日帰り・体験ツアーを専門とする株式会社ぽけかる倶楽部(クラブ)が、内部河川を通るこのクルーズのために米国から輸入した(船尾に星条旗)。10人乗り。

【ジーフリート】
株式会社JTB法人東京主催の吾妻橋防災船着場から出航する隅田川・小名木川を航行するツアーに使用。ジールの所有で、パーティー用にも使われる。定員95人の大型船。※第3期のみ運航。