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地下鉄8号線延伸推進シンポジウム

 「地下鉄8号線延伸推進シンポジウム」が3月7日、江東区文化センターホール(同区東陽)で開かれた。江東区が主催し、8号線(有楽町線)の延伸(豊洲―住吉駅間)を主なテーマとしたもので、区民を中心に約500席が埋まるほどの人々が集まり、関心の高さがうかがわれた。
 主催者あいさつで壇上に立った山﨑孝明区長は開口一番、「江東区は長い間、南北交通を作りたいと願ってまいりました」としてこれまでの経緯や現状などを説明。2000年の国の答申では、15年までの整備着手が望ましいとされていたが、営団が東京メトロとして民営化された04年になって、副都心線を最後に新路線は整備しない方針が示され、8号線延伸の実現が遠のく大きな転機となった。
 こう着状態のなか、3区1市(江東、墨田、葛飾の各区と千葉県松戸市)からなる「8・11号線協議会」は、8号線延伸の第1段階を豊洲─住吉間とすることで合意(09年)。江東区は10年度から年5億円の建設基金積み立てを開始した。山﨑区長は「地域の皆さまのお力が必要。『8号線やろうぜ』と大きな声を上げていただければ」と呼びかけた。
 続いて、元都副知事で、現在は明治大大学院教授の青山佾(やすし)さんが基本情報を簡潔に説明。住吉─豊洲間を料金優先(東京メトロ乗り継ぎ)で移動した場合、片道40分かかり、時間優先で移動すると片道420円かかることなどを示した。総建設費はおおむね900億〜1200億円と試算。青山さんは副知事として大江戸線の開業に携わったが、「順調に借金を返し続けている」と説明した。
 青山さんをコーディネーターとしたパネルディスカッション「未来へつなぐまちづくり」には、山﨑区長のほか、東京海洋大副学長の苦瀬(くせ)博仁さん、江東区出身の詩人・小池昌代さんがパネラーとして参加。
 山﨑区長は、墨田区の押上エリアは東京スカイツリーの開業により観光客が集中し、人口増加中の豊洲エリアには、さらに市場や総合病院ができる予定であることなど、地域のここ数年の状況変化に触れ、「人が集まる所を結ぶ線として、(南北の路線は)必要だと、私は言えると思う」と述べた。また、東西線は日本一混雑する線で転落事故や遅延の問題があること、都バスの路線は江東区が23区で一番多いことなどを伝えると、客席からは驚きの声も。同区内には地下鉄車庫が4か所あり「これだけ車庫を受け持ってるんだから、作ってくれないのはおかしいですよね、皆さん?」と語りかけると、来場者たちから笑いと拍手が漏れた。
 また、鉄道は環境に優しく駅は地域発展の拠点ともなると話した苦瀬さんは、「地元の声大きいですよね。いろいろな声を上げていただければうれしいなと思います」。小池さんは自身の詩集「永遠に来ないバス」について、同区平野から都立両国高校に通学していた当時のことと説明し、「柔らかい人間らしい街ができていったらいいなと切に思ってます」と、地下鉄が結ぶ街の地域交流の活性化に期待をかけた。