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圧倒的技術で見せる野菜彫刻 龍の大作だけでも既に1000体以上

 龍と鳳凰(ほうおう)の迫力ある2体の彫刻――。圧倒的な技術で見る者を驚かせるこの作品「龍と鳳凰」は、江東区木場のギャザリアレストラン街にある「陳建一麻婆(マーボー)豆腐店 木場店」の古作(こさく)哲也店長(48)が制作した。高さ約60センチの鳳凰は太めのダイコンを、また、体長約150センチという大作の龍は約130本のニンジンを使い、2月3日から8日まで6日間かけて作り上げた。
 古作さんは、日本の野菜彫刻の第一人者であるばかりか、世界大会でも数々の賞に輝いたほどの腕前の持ち主。料理だけでなく、料理人として一番になりたいと考えた古作さんは20歳の頃、野菜彫刻の技術が世界的に高い台湾に渡り、8年間、現地で腕を磨いた。今では野菜彫刻歴約30年。この世界で「大作」と「観音像」といえば、古作さんの名を知らない人はいないほどで、龍の大作だけでも既に1000体以上作ってきたというから驚く。
 今回の作品は、華調理製菓専門学校(台東区根岸)から、イベント会場の展示用として依頼されたもの。東日本大震災から1年たった昨年3月には、被災地復興への願いを込めて、京いもを材料に千手観音像を完成させ、同レストラン街のロビーに1か月ほど展示した。同レストラン街が新装オープンした昨年12月にも、記念に龍の彫刻を制作した。
 白い皿に盛られた中国料理を生かす飾りとして、また演出として発展してきた野菜彫刻の世界。アジアの国々には類似の彫刻文化があり、昨年6月には野菜彫刻やタイのベジタブルカービングなどのスペシャリスト計20人が書籍「中国料理 華彫」を出版。古作さんの作品の写真も多数掲載されたほか、その繊細かつ大胆な制作工程も写真入りで紹介された。この書籍は、日本人による初の〝野菜彫刻専門書〟でもあるという。
 古作さんは料理の腕も一流で、〝料理の鉄人〟として知られる陳建一さんのこの店で四川料理の腕を振るっている。同店は、本格的な麻婆豆腐が味わえる人気店。四川料理の代表的メニューの麻婆豆腐は、建一さんの父で料理人の陳建民さんが日本に初めて紹介した。
 古作さんが彫刻を制作するのは主に夜間で、今回制作した龍と鳳凰は、完成後すぐに納品したため、残念ながら地元で展示する機会はなかった。ただ、今後も深川ギャザリアの管理者のフジクラ開発からの依頼で、4月20、21日に開かれる「ガーデンフェア」のために制作する予定が入っており、古作さんの作品を目にするチャンスはありそう。次回は、どんな大作がお目見えするか楽しみだ。