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初縁日におしるこを

 「おしるこを食べていってね~」。お地蔵様に供えたもちを汁粉に入れてふるまう「地蔵しるこ」の無料接待が、一月十四日に墨田区東駒形二丁目の東駒形二丁目町会会館前で行われた=写真。 同会館前にある「篠塚子育延命地蔵」を守る地元商店会「地蔵共栄会」による正月の恒例行事。地蔵尊の初縁日にあたる十四日に鏡開きしたもちを食べ、無病息災や受験合格などを願う。お母さんに連れられてきた山崎結子ちゃん(3)は常連さん。大人に交じって「おいしい~」と甘いおしるこを味わっていた。

 「篠塚子育延命地蔵」は、町会会館の向かいにあった「栄寿院」に安置されていた。平安時代に作られたとされ、鎌倉・室町時代の武将、新田義貞の鎌倉攻めの際に家臣篠塚正景が絵に描いた地蔵を兵に与えてお守りとした話や諸国を転々とした後に太田道灌が栄寿院に委託して奉った話などが伝えられている。

 一九三〇年に区画整理で栄寿院が足立区に移転した後も地蔵堂だけが再建され、商店会が地蔵講の中心となって地元のシンボルを守り続けてきた。現在残る地蔵堂は、一九六八年に土地が分譲され存続の危機に陥った時に、講元である「上野商店」(墨田区本所三丁目)店主の上野英男さん(61)の父、故・上野潔商店会長らが立ち上がり、建物のすき間の土地を使用する許可を得て新たに建てたもの。御写(みうつし)を入れてある。汁粉を無料で配る行事もこのころから始まった。

 地蔵共栄会の伊沢正八さん(75)によると、最近は行事を運営する会員も高齢化し、「地元に根付き、歴史あるお地蔵様について伝えられる人が少なくなっていくのが心配」という。