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個性派書店があなたの悩みに応える本教えます

 手書きの紹介文が添えられた書籍が並ぶ店内、その一角ではビールを飲み談笑する客たち、そして店の奥には整体コーナーも――。鹿骨街道沿いの江戸川区篠崎町にある書店「読書のすすめ」は、知る人ぞ知る異色の本屋だ。店長はNPO法人読書普及協会理事長で、著書も多数持つ清水克衛さん(50)。会話から客に合った「本をすすめる本屋」として出発し、今では「悩みに応える本屋」「本のソムリエ」としてメディアでも紹介され、全国から客がやってくる。
 本は人にすすめる前提で読むという清水さん。必然的に内容や文章を覚えることになり「人のために読む読書はすごくいいんですよね」。また本で得た知識は「アウトプットしないと身にならない」というのが清水さんの考えでもあり、知識の実践が大切と話す。
 時間があれば本を読み、1日最大20冊読んだ日もあったが、仕事なので「野球選手がバット振るのと同じ」。ただ、少年時代は読書感想文が嫌いで「親や先生に言われて読むのは面白くない。押し付けってダメですよ」。自分から興味ある本を選んで読むことが「読書の面白さです」。
 また、人生を一変させるような本との出合いもあると清水さん。自身の転機は大学在学中に読んだ司馬遼太郎の「竜馬がゆく」。柔道3段の警察官志望だった清水さんだが、この本を読んだのち突如として商人を志し、大学卒業後、大手コンビニエンスストア店長を10年経験。篠崎で書店を開いたのは1995年1月で、駅前でない立地は店舗としては不利に思えるが「努力するし逆に良かった」と振り返る。清水さんには「繁盛したければ一等地を借りるな!」という題の著書もある。
 客のなかには、清水さんに悩みを相談しに来る人もいる。人生相談から恋愛相談までさまざまだが、会話や本を通じて「元気になってほしいし、心の栄養になれば」。店内にビールを用意しているのもリラックスしてほしいとの背景から。悩みの中身については、自身が原因であることに気づいてないと感じるケースがよくあり「何かのせいにしていると自分がきびしい。腹立てていると一番面白くないのは自分」と説く。
 一方、全国組織の読書普及協会は、講演会や本の読み聞かせなど多岐に渡って活動しているが、個性的な「水曜会」もその一つ。人、そして本との出合いから学ぶことを両輪ととらえ、人と人とを結ぶことを主眼にした交流会で、水曜午後7時から同店そばの居酒屋で毎週開催、誰でも参加できる。水曜夕方になると「読書のすすめ」店内には、交流会前から飲みに来る常連客の姿も。「水曜会」は大阪、札幌、仙台、静岡でも行われているそうだ。
 本との出会いは、人との出会いと似ていて「いい出会いをするためには、いい本を読んでないと」と語る清水さん。良質な本を「読めば読むほど、謙虚になったり、人に優しくなったりしますよ」と穏やかな口調で読書の魅力を伝えていた。
 「読書のすすめ」店頭ではサイン会など催しも度々開催。清水さん自身も講演を各地で行っており、11月30日には須田達史さんと限定30人の「辻説法 〜腹が決まっちゃうよ!セミナー〜」を開催予定(会場=はなの舞平井南口店、午後1時30分開始、3000円)。「読書のすすめ」は江戸川区篠崎町1の403の4TEL5666・0969。