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信隆寺本堂で吹奏楽演奏会 地元2中学校生徒が住民らに披露

 葛飾区東新小岩の信隆寺(佐藤義賢住職)の本堂で3月30日、同区新小岩北地区の中学校2校による演奏会が開かれ、地域住民、同寺に近い区立上小松小学校の児童らが、普段とは趣の違う演奏を楽しんだ。
 演奏したのは、東新小岩の上平井中、西新小岩の新小岩中の吹奏楽部。この2校がエリア内にある同区青少年育成新小岩北地区委員会=会長・佐藤住職(62)=の主催。同寺は昨年夏、東日本大震災の被災地・福島県相馬市の子供たちの宿泊先として寺を開放した際にもミニコンサートを開いた。子供たちの喜ぶ姿を見た佐藤住職が音楽の力を実感し、「小中学生の音楽活動をもっと地域で」との以前からの思いを実現した。
 新小岩中が、ドラマ「仁」のメーンテーマ曲や「感謝カンゲキ雨嵐」「川の流れのように」など歌謡曲を演奏。ユニークな掛け合いでアーティストや曲を紹介した。上平井中は、GReeeeNの「遥(はる)か」、ディズニーの「ホール・ニュー・ワールド」などを演奏。両校とも振り付けも工夫し、上平井中の「ヤングマン」では生徒よりも先に身振りで「YMCA」をするお父さんもいた。
 その合間には、葛飾フィルハーモニー管弦楽団メンバーの弦楽四重奏を始め、ピアニストの安藤尚代さん、フルート奏者の佐藤梢さんらがプロの美しい音色を奏でた。
 また、上平井中OBのドラマー・後藤将志さん(20)が、フルートの佐藤さんと音大在学中のピアノの望月佳央里さんのトリオで「情熱大陸」を演奏。最も身近な先輩の後藤さんは、後輩に「楽しそうに演奏して、『上中』らしさが出ていた」と笑顔。最後に全員が「葛飾区歌」を合唱して終了した。
 寺の本堂での演奏について、上平井中の長野ちひろ部長(14)は「聴いている人も私たちも音が聴きやすく、バランスがとりやすかった」と話し、新小岩中の金澤莉咲部長(14)も「音もすごく響いて、気持ちよく演奏できた」という。
 演奏を聴いた上小松小ブラスバンド部でトランペットを担当している関下桃可さん(10)は、トランペットでソロのパートを演奏した金澤さんの演奏に、「堂々としていてかっこよかった」。母親の由起江さん(42)は、「本堂で演奏できるなんて知りませんでした。中学生の演奏は新鮮で、子供にも身近に感じられて良かったと思う」と話した。
 音楽好きで、自身も幼時からピアノを続けている佐藤住職が、「寺で地域の人と音楽を楽しめるようにしたい」と考え、3年前に信隆寺を建て替えたとき、本堂の天井全体を、天井板を震わせることで音が共鳴し、スピーカーと同じ働きをするようにした。
 演奏会を終えて佐藤住職は、「感動でした。音楽は、安らぎとか癒やしだけでなく生きる活力。演奏を聴いてまた実感しました」と言い、「これを第一歩に、音楽ならではのつながりを発信していきたい」と話していた。