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今月下旬のオランダ大会に招待選手として参戦 RCドリフト初代世界王者 江東区の19歳 川上哲弘さん

世界チャンピオンとしてオランダへ――。RC(ラジオコントロール=無線操縦)による車の競技は多々あるが、タイヤの回転を止め、車体を横滑りさせるそのテクニックを得点で競う種目「ドリフト」で初代世界王者となったのが、江東区東陽の大学2年生川上哲弘(たかひろ)さん(19)だ。5月末にオランダで行われる大会の招待選手となった今は、この大会を楽しみつつも「勝ちにいきたい」と静かな闘志を燃やしている。

めざすは全日本、世界選手権2連覇
 「誰が一番カッコいいドリフトをするか」を実際の車で競う「D1グランプリ」をもとに、7年ほど前に誕生したのがRCによる「ドリフト」競技。この世界大会は昨年12月17、18の両日、RC専用のサーキット「谷田部アリーナ」(茨城県つくば市)で初開催された。
 もともと「ドリフト」は日本が発祥の地で、競技者はアジアやヨーロッパなど世界に広がっていても日本のレベルの高さは世界一。数々の国内大会で優勝経験を持ち、昨年の全日本選手権も制していた哲弘さんは、その実力を発揮して初代の世界王者に輝いた。
 哲弘さんが「ドリフト」を本格的に始めたのは高校1年の頃。当時は自宅近くの「木場公園駐車場でよく練習していました」。一流の腕前となった今は、その実力を買われて週に数回、谷田部アリーナでアドバイザーを務めたり、パーツを扱う専門店でアルバイトしたりと、「ドリフト」中心の生活を送っている。
 RCは「子供がやっているイメージがあるけれど、実際はすごいお金がかかる」。そのため、アルバイト代はRCの経費に全て注ぐ。そんな哲弘さんを支えるのが、モータースポーツ「ジムカーナー」の経験者でもある父の智康さん。サーキットへの送迎だけでなく、マシンメカニックとして、ドライバーの哲弘さんのパートナーを務めている。
 「ドリフト」はタイムを競うのではなく「フィギュアスケートのようにポイントを競う」種目で、並走する車との駆け引きのほか「どういった〝絵〞が描けるのか。答えが人それぞれという良さがあります」と哲弘さん。時にはリスクを負ってコースの壁にどこまで近づけるか挑むこともある。
 オランダで開かれる大会は、今月25〜28日の4日間で公式練習、予選、決勝が行われる。日本のレベルの高さ、そして世界王者としての実力を証明するためにも「オランダで勝ちたい」と意気込む哲弘さん。さらにその高度な技で、大会に参加する競技者に刺激を与えたいとも考えている。
 高度な技が決まると歓声が沸き上がり、「ギャラリーの人数が多いとテンションが上がるので(競技の裾野を)広げていきたい」と、この種目の普及拡大に対する思いも強い。オランダ以降の目標は秋の全日本選手権2連覇、そして今年12月に開催される世界選手権の2連覇を達成することだそうだ。