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ピカソら一流の美術品約100点集め葛飾区水元で「出張美術館」開催

 ピカソが水元にやってきた――。20世紀最大の芸術家とされるピカソの陶芸作品3点を始め、ルノワール、シャガール、コロー、ルオーら海外の画家、横山大観、鏑木清方、伊東深水ら日本画家や人間国宝の陶芸家、岡本太郎ら現代芸術家の作品まで、100点近くの芸術作品が集結した「出張美術館」が2月11、12の両日、葛飾区水元の大盛工業本社で開催され、無料で一般公開された。
 「本物の芸術に触れる2日間」と題したこの催しは、神奈川県湯河原町の「人間国宝美術館」と、同県真鶴町の「真鶴アートミュージアム」の2館が主催した。本物の芸術を気軽に感じてほしいとの趣旨で行われた試みで、さいたま市の幼稚園、北海道函館市の中学校に続き、今回が3か所目の開催。
 「人間国宝美術館」のオーナーは会場の大盛工業の取締役。同社は上下水道の工事が主だが、昨年から介護事業(デイサービス)など一般区民を対象にした事業を展開しており、地域貢献とPRを兼ね、出張美術館の会場として開放することになった。会期中の2日間は1〜3階フロアのほか、社長室も美術館に変身。1階では抹茶や茶菓子で来場者をもてなした。
 来場者は女性が多かったが、専門家の作品解説にうなずいたり、時には感嘆の声を上げたりしながら、ガラス越しでない芸術鑑賞を満喫。また、一般公開とは別に、13日には特別に約120人の水元小学校4年生たちの鑑賞も受け入れた。
 一級の芸術品の数々とあって、運搬や警備など気を使う部分も多く、経費もかかるため次回の開催は現時点では未定だが、作品解説も行った真鶴アートミュージアムの福田晃子館主は、来場者の好反応を受け止めながら「大変な部分も多いのですが、来年以降も続けていけたら。東日本大震災の被災地に行きたいという思いもあります」。
 今回は実験的試みとして無料で開催したが、地域の年配者や子供など「美術館に普段来ないような方もたくさん来ていただいた」との実感を得、福田さんは出張展の意義を確認したようだ。