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ビブリオバトル生みの親が講演

 年齢にかかわらず楽しめる知的書評合戦「ビブリオバトル」についての講演会が3月15日、葛西図書館(江戸川区江戸川)で開かれた。講師はビブリオバトルの生みの親で立命館大准教授の谷口忠大さん。京都からこの日上京した谷口さんは、関西弁を交えた楽しいトークで約30人の受講者を楽しませつつ、そのルールや魅力について語った。
 「人を通して本を知る、本を通して人を知る」をキャッチフレーズにしたビブリオバトルは2007年に誕生。ルールはまず発表参加者たちが面白いと思う本を持ち寄り、順番に1人5分で本を紹介。発表後には毎回2分ほど全員でディスカッションし、全ての発表後には投票で「チャンプ本」を決める。投票は「どの本をいちばん読みたくなったか」を選定基準とし、聴講参加者と発表参加者全員が一票ずつを持つが、自身の紹介した本には投じないのが暗黙の約束ごと。また、例えば先生など発言力の強い人も1票の重さは生徒と平等だ。
 新刊本が年間約7万冊出るなかで、新聞などの書評やランキングは参考にはなるが、「誰しも自分なりの興味があり、みんなと同じじゃない」と谷口さん。「どうやって本の森を冒険していけばいいのだろう」と考えたとき、「みんなで手分けして面白い本を探してくる」ビブリオバトルは自分の興味ある本に効率的に出合える有効な方法でもあるという。
 バトルは例えば「SF」などテーマを設定することも可能。各自が本を選択し語ることによりその人の性格や嗜好(しこう)を垣間見ることができる点も面白さで、「本があなたを語る」と谷口さんは表現。バトルの勝者は紹介者ではなく本だが、その本を推すまでの個人の過程も大切な部分だ。同バトル普及委員会が把握しているだけで、昨年末までに177の大学や79の公立図書館などで開催されたが、場所や参加者には特段制約はなく、例えば〝ママとも〟同士、上司と部下、家族、さらには富士山頂など屋外でもバトルはできると伝えた。
 実施人数にも上限はないが、5人程度が緊張せず話せる点では良いとか。ただし、ゲームである以上自発的な参加が前提で、「いちばん大事なことは楽しむこと」と谷口さん。約1時間の講演後は、受講者3人によるバトルの実演も行われ、「ベルナのしっぽ」を生き生きとした表情で紹介した江戸川区立春江中1年の小林ゆり子さんは「緊張した。次回は構成を組み立ててもっとよく伝えたい」と話していた。