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ハラール認証でムスリム客を呼び込む

台東区の助成金交付第1号

ハラール認証でムスリム客を呼び込む

 

外国人観光客が増加する浅草などで、ムスリム(イスラム教徒)の旅行者が安心して食事ができる店を増やそうと、台東区が「ハラール認証」を取得する飲食店に対して助成金を交付する事業が始まった。11月11日には、助成対象第1号となった店の交付式が行われ、同区内では今年中に10件近くの認証取得が見込まれている。

ハラール認証は、提供する商品やサービスがイスラム教の教えにのっとっていることを公に示すもので、イスラム圏(インドネシア、マレーシアなど)からの旅行者の増加により飲食店などでの認証取得の動きが広がっている。観光地・浅草を抱える台東区では、今年度初の事業として10月から「台東区ハラール認証取得助成事業」(予算100万円)を開始した。区内のレストランや喫茶店、弁当屋、和菓子店、洋菓子店などが新規でハラール取得に要する経費を2分の1以内(上限10万円)で補助するというもの。地方自治体としては初めての試みという。

この制度の第1号店となったのは、「オーガニックごはん かえもん浅草本

店」(台東区花川戸)だ。今年の7月に東武スカイツリーライン浅草駅北口そばのビルに開店し、野菜を中心とした動物性の材料を使わない料理を提供する。肉・魚類のほかニンニクやネギ類など刺激性の強い野菜もとらない「オリエンタルベジタリアン」対応のメニューをそろえている都内でも数少ない飲食店だ。

店の特徴から、食材に豚肉やアルコールの入っていない“ムスリムウェルカム”的な料理はあったが、今年8月ごろからハラール認証取得に向けて動き出した時に、みりんの使用をやめ、調味料類も規格書を取り寄せて製造工程で禁忌品に触れていないかチェックした。大量生産品の多くにアルコールを使用する醸造酢やみそなどは無添加品を探し、みりんを使わずに煮物の味をまとめる、麹(こうじ)を活用して味を落とさぬ工夫をする、など隠れた部分でのコストや手間がかかっている。アルコール飲料とソフトドリンクの保管場所を別にする、といった調整も必要だった。

こうした努力により11月に、全メニューがハラール対応であることを示す星2つ(星3つはアルコールも提供しない)の認証を、認証機関ジャパン・ハラール・ファンデーションが交付した。取得後は、団体予約の利用が増え、店内に飾られた証明書を見て大喜びする一行もあったという。オーナーシェフの上原一徳さん(51)は、「ハラールはお客さんの文化に対する理解。世界の4分の1を占めるムスリムの食文化を理解した上で日本の食事を出し、喜んでもらえればうれしい」と語っている。

豆類から作るソイミートを活用した唐揚げなどが載った日替わりランチ。制限された食材で展開するメニューは食物アレルギー対応などの需要もある

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