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ニット縫製会社がシェアファクトリーを開設

ニット縫製会社がシェアファクトリーを開設

 工場移転後の空き作業場を活用

 ファッション分野での起業も応援

 

ハンドメード作品を作る際にプロ用の機械を使って制作ができるシェアファクトリー「nuuiee(ヌーイー)」が4月4日、墨田区石原にオープンする。昭和の初めからニット製品の生産を続ける小倉メリヤス製造所の作業場だった場所が、手芸作家やアパレル小売店などを支援する場所に生まれ変わった。

受付横に立つ小倉さん。 新しいものづくりの拠点となる「nuuiee」は〝糸に逢う〟と書く「縫」をイメージした名前にしたという

受付横に立つ小倉さん。 新しいものづくりの拠点となる「nuuiee」は〝糸に逢う〟と書く「縫」をイメージした名前にしたという

小倉メリヤス製造所は1929年(昭和4年)に創業し、カットソーを中心にベビー・子供服のOEM(相手先ブランドによる生産)で事業を展開している。本社機能を残す石原の事務所には縫製工場を地方や海外に移転したことでかつての作業場など使われていない空間があり、中2階を含む3層の躯体(くたい)構造をそのまま生かして改装した。1階には職業用ミシンにデジタル刺繍(ししゅう)機、テキスタイルインクジェットプリンターなど最新の機械が置かれ、中2階ではプロ用のサンプル帳を閲覧できる。2階にはWifi(ワイファイ)機能付きのデジタルカメラと撮影場所も用意されている。

デジタル刺繍機

パソコンソフトでデザインしたデータを取り込んで刺繍する、デジタル刺繍機

こうした設備は、インターネットなどを通じて作品を販売する、ハンドメード関連の作家らの需要に応えたものだ。社長の小倉大典さん(38)によると、最近は個人でも〝売れっ子〟として手作業の規模を超える大量の注文を抱える人が登場し、「工場を借りられないか」といった相談を受ける機会が増えてきた。他店に置いていない商品を求めるアパレル小売店のオリジナル品生産に関する問い合わせも多く、業界の基礎知識から説明するなど、対応に追われる面もある。日々の実感に加えて手芸材料の専門店や手作り品販売の市場拡大を耳にする中で、「ファッションのプロダクト側として長年やってきた会社が窓口となり、この分野で起業を考える個人を支援できないか」という思いが新事業に結びついた。開設には墨田区の「新ものづくり創出拠点整備補助金」を活用している。

高校時代は応援団に所属し、家業を継ぐ前は専門学校の教員をしていたこともあるという小倉さんは「誰かを助けたり支援して感謝されることで自分も元気になる」という言葉が納得できる、面倒見のよさそうな三児のパパだ。「娘たちに将来継ぎたいと言ってもらえる会社にしたいなぁ」とつぶやきながら、区内のファッション製造業の盛り上げにつながる新しい流れを作りたい、と意欲を燃やす。

利用方法、料金などの問い合わせは「nuuiee」(墨田区石原3の12の9℡3622・5082)へ。