top

“デジタル版木”で北斎の浮世絵を印刷

“デジタル版木”で北斎の浮世絵を印刷

 

 

“デジタル版木”を使って北斎作品の版画を体験する来場者(右手前。その後ろが有薗社長)、奥の四角いものがレーザー加工機

“デジタル版木”を使って北斎作品の版画を体験する来場者(右手前。その後ろが有薗社長)、奥の四角いものがレーザー加工機

  コンピューターを駆使して江戸時代の浮世絵印刷を再現――。墨田区内の印刷会社が金属加工の製作所と協力して“デジタル版木”を使った葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の制作に挑戦。4月22日に墨田区役所で実演会を開いた。

   版木を何枚も用意して紙に色を重ねていく浮世絵の手法を、レーザー加工機を利用して再現する試みは、株式会社サンコー(墨田区亀沢)が行った。発案した有薗悦克経営企画室長は「浮世絵は凸版印刷の多色刷りを流通させた先駆け。北斎美術館建設地に近い亀沢の会社として、“印刷”という観点から北斎作品にかかわれないか」と考えたという。

 

レーザー加工機で作った版木と刷った作品、および「浪裏」の図版

レーザー加工機で作った版木と刷った作品、および「浪裏」の図版

    印刷会社の色分解の技術と多様な素材に自在に彫刻や焼き付けができるレーザー加工機により細密な版木を作ることが可能になった。制作段階では、この機械を所有する浜野製作所(同区八広)が技術協力した。細かい線を一部手作業で読み込ませて色ごとにデータを作り、版をおこす時は数㍉単位で溝の深さや彫り方を変えて強度を確かめながら進めたという。

   22日は、区役所1階アトリウムで縮小版にした「浪裏」を刷る様子を、同社の有薗克明社長が実演した。版木は同作品を構成する7色のうち紺、黄色、ブルー、スミの4種類が用意され、足を止めた人が刷りを体験した。小型のレーザー加工機も会場に展示された。7月初旬には同社の運営する「co‐lab墨田亀沢」を会場に、版木を使ったワークショップを開く予定だ。