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タクシー会社で視覚障害を理解する講習会

 視覚障害を持つ人がタクシーを利用する際に、ドライバーにはどのような配慮が必要か。ヒノデ第一交通株式会社江戸川営業所(江戸川区中央)で、乗務員が視覚障害者を理解しサービス向上をめざす講習会を9月6日に開いた。
 同社江戸川営業所は今年3月から介護タクシー事業を開始し、福祉車両5台を所有している。講習会は、タクシーを利用する機会の多い重度の視覚障害者が快適に乗車してもらえるように介護タクシーを運転する乗務員などを対象に企画された。
 6日は、NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会理事長の松本俊吾さん(72)(同区西瑞江)が、講師としてガイドヘルパーの神尾雅代さんの介助を伴い営業所に来訪した。松本さんは「タクシーの運転手から温かい応対を受けた日は、幸せな気持ちで一日を過ごせた」と、体験を交えながら視覚障害者の生活とタクシー乗務員に望むことなどを語った。
 松本さんによると、江戸川区では移動が困難な障害を持つ人にタクシー券を給付する制度があり、その対象となる身体障害者手帳1、2級(介助付き)の視覚障害者は約880人を数える。重度の視覚障害を持つ人でも網膜の中心部だけ機能せず周辺部が見える人は歩行や移動が可能で、外見から障害の有無が判別しにくい場合があるという。
 乗務員に対する希望事項では、「あっち」「こっち」など指示語は使わず具体的に伝えてほしいこと、途中で乗車料金の状況を知らせてもらえると安心することなどが挙げられた。また、神尾さんも介助する立場から「乗車時はヘルパーが先に乗って誘導するため、降車時に先に外に出る視覚障害者に対して足元への気遣いがあると助かる」などと語った。
 タクシーの車両を使った実技訓練も行われ、目的地で車を降りて視覚障害者を誘導する時の案内方法などを、目隠しをつけたドライバーたちが実践した。松本さんは「何かする前にひとこと声をかけてもらえると、見えない状態で動くことの不安が和らぐ」と述べた。終了後、参加した乗務員の内山一茂さん(55)は、「下町を走るとお年寄りを乗せることが多く、声かけなどは心がけてきたが、タオルで目隠しをして動いた時の心細さは初めて体験した。初心に戻ってやらないといけないと思った」と話していた。